「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #17
SDGsで変わる「ダイレクトマーケティング」の新しいカタチ
2019/11/07
話題のキーワード「SDGs」とは何か
最近、非常に話題になっているので、耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標のことです。「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成され、2030年までに達成するために様々な取り組みが始まっています。
貧困を無くそう・飢餓をゼロに・安全な水とトイレを世界中になど、世界的な課題についての項目はもちろん、ジェンダー平等を実現しよう・産業と技術革新の基盤をつくろう・働きがいも経済成長など、より質が高い生活を送るための目標も含まれています。開発途上国の課題だけではなく、私たち日本のような先進国の課題にも踏み込んでいることが大きなポイントだと考えられています。
特に1980年代から2000年初めに生まれたミレニアルズ世代以降をターゲットとした商品には、「ソーシャルグッド」な商品・サービスが多く生まれています。ソーシャルグッドとは、商品やサービスを通して、社会貢献につながる取り組みのこと。社会貢献とは、環境問題や貧困問題など、SGDsが提示している課題解決などが該当します。
米国での調査になりますが、次のような調査結果が出ています。
我われマーケティングに関わる人の活動そのものが「SDGsと直結している」と考えておくべき時代になっています。では、ダイレクトマーケティングの世界とSDGsがどのように関わってくるのかを考えたいと思います。
ゼロ・ウェイストタウンを掲げる街のクラフトビール
ゼロ・ウェイストタウンを掲げる徳島県上勝町のクラフトビールの事例をご紹介します。徳島県上勝町の人口は1700人ほどしかいませんが、以前は「葉っぱビジネス」で有名になった自治体です。
現在では、多くの起業家が集まり、その中の1つがクラフトビールの「RISE & WIN」です。上勝町は「ゼロ・ウェイスト宣言」をしているのですが、これは2020年までにリサイクル・リユース・リデュースの3R を推進することでゴミをゼロにするという住民活動です。上勝町では、全国平均で20%程度のリサイクル率がすでに80%を超えているそうです。
そんな町を拠点として、上勝のごみ集積所にあった廃材を活用した工場や廃棄されていた資源を使ったビールによって、ブランディングに成功し、差別化が難しいクラフトビール市場で大きく取り扱いを伸ばしています。
ただ単にビールというプロダクトを販売するだけでなく、環境について考える機会をつくり参画意識を持たせることでブランドを差別化し、選ばれる意味をもたせる大事なコミュニケーションになっています。