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富士フイルムとの実証実験で証明された、ダイレクトメールの有用性 【早稲田大学 恩藏直人教授】

感覚マーケティングについて、得られている研究成果


 このほかにも、私が行っている「感覚マーケティング」の研究成果をいくつかご紹介します。ひとつは、スーパーの買い物カゴの色を変えることで、購買に与える影響について調べました。

 これは実際のスーパーマーケットに協力してもらい、約一週間、すべてのカゴの色を変更しました。現在データを分析しているところで数値はお伝えできないのですが、明らかになったのは、カゴの色が赤だと、お客さんのレジ通過前の購入予想金額が最も低くなるということ。実験では、お客さんがレジを通過する前に「今日はいくら買い物をしましたか」と質問していますが、そのときに答えた金額がレジで計算したときの実際の金額よりも一番低かったのです。



 また、カゴが「赤であれば肉」、「白であればミルク」といったように、カゴの色と同じ色の商品が売れやすくなる傾向もあるかもしれません。

 過去には、椅子の柔らかさが靴の試着に及ぼす影響も調べました。この実験では、靴を試着するときに腰掛ける椅子の柔らかさを「硬い」、「普通」、「柔らかい」の3水準で用意しました。そして、実際の店舗に置かせてもらい、お客さまの顔が映らないように配慮しながら、ビデオを1カ月間撮影しました。

 その結果、椅子が柔らかい方が時間をかけて試着をし、最終的に試着する点数も少ないことが分かりました。ちなみに、ビジネスなどの交渉の際、相手が柔らかい椅子に座っている方が、提案を受け入れてくれる確率が高くなることが分かっています。今回の実験もそれと同様の理由で、椅子が柔らかいと商品を受け入れやすくなるのではないかと考えています。

 さらに、USENさんの協力を得て、BGMの実験も行っています。音楽の研究は何十年も前から行われています。例えば、スーパーであればテンポが遅いBGMは滞在時間を長くして客単価を上げること、ワインショップであればクラシックを流すと高価なワインが売れることなどが分かっています。

 今回、私たちが行ったのは、オフィスでBGMを流す実験です。よく言われるのは、オフィスでの作業効率が上がったり、コミュニケーションが活性化したりするのではないかということ。職種によって効果は異なりますが、現時点では、コミュニケーションの活性化が進み、なかでも役職の上下間で効果があることが分かっています。

 感覚マーケティングとは異なりますが、クラウドソーシングの研究も今年から開始しています。新たな製品を開発する際にクラウドソーシングを使うことによる製品デザインや製品成果などへの影響、つまり、クラウドソーシングの利用がものづくりの全体像にどのように関わってくるのかというメカニズムを解明しようという研究です。

 まだ研究は始まったばかりで、成果というほどのものは得られていませんが、今年はヒヤリングを中心に行い、クラウドソーシングの利用企業に対して、どのような製品が生まれているのかについて聞きたいと考えています。

(お問い合わせ)
日本郵便 デジタル×アナログ振興プロジェクト
E-mail:info_dm.ii@jp-post.jp
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