ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #18

中川政七商店の旗艦店が、渋谷スクランブルスクエア11階にある理由を分析する

渋谷スクランブルスクエア11階にある理由


 商業施設に店舗を出店する際は、メインの出入口に一番近い場所が一等地です。一般に上階に行くほど、店前通過客が減少します。では、この独自性あふれる店舗が、なぜ11階にあるのでしょうか。その理由は、3つあると考えます。

1.坪あたり家賃を抑えることができる
一等地ほど、入りたい店舗が多いわけですので、坪あたりの家賃は上がります。競争の少ないフロアであれば、家賃交渉も優位に働きます。

2.魅力的な店舗が上階にあると、館全体の回遊性が上がる
商業施設の運営者から見たとき、館全体を多くの来店客が回遊してくれると各テナントの売上が上がり、全体の家賃収入も大きくなります。来店客を上層階まで引っ張ってくれるテナントの入居は、その店舗の家賃収入以上の大きな効果があるわけです。渋谷PARCOで日本初のNintendo TOKYOが6階にあることも、そういった理由があると推測します。

スクランブルスクエア11階の中川政七商店とTSUTAYA BOOKSTOREは、まさに同じ役割を果たしています。そうした店舗について、商業施設運営者は、家賃を下げてでも入ってもらいたいと考えるわけです。

3.他店との組み合わせ効果が狙える
中川政七商店 旗艦店の右側では、食品を展開しています。その隣には、TSUTAYA BOOKSTOREとスターバックスです。いずれも滞在時間の長い店舗で、時間に余裕のある来店客が立寄ります。そこで、コーヒーを飲んだ後などに、食べ物への興味が出ることが期待できそうです。

 この3つが機能するのは、他にはない強いブランド力が中川政七商店にあればこそです。ある分野に特化して差別化に成功した企業に機能する出店方法と言えるでしょう。
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