デジタル販促 研究会レポート #02Sponsored

LINEの強みをどう生かす? 見えてきたデジタル販促の可能性と課題 【研究会レポート】

LINE で知り合いのオススメ情報を店内で通知!?


 講演後、江田氏の挙げた3つのテーマについて、参加者でディスカッションが行われた。一部を抜粋して、その内容をお届けする。

 議論の口火を切ったのは、Preferred Networksの富永氏。「店舗にチェックインして、そこに自分のフレンドもいる場合に通知してくれる機能があったら面白い。例えば、入店したら、LINE 上で鈴木さんがこのホットケーキをオススメしています、と通知されたら、僕は買わなきゃと思うわけです」とアイデアを披露した。
 
Preferred Networks 執行役員CMO/イトーヨーカ堂 顧問 富永 朋信氏

 デジタルシフトウェーブの鈴木氏も、「LINE を使うモチベーションはユーザー同士のコミュニケーションにある。たしかに知人のおすすめは買うモチベーションになり、そこにいる時に通知が来れば買ってしまう。旅行先で、あの店に行った方がいいよと言われる感覚に近い。お得な情報だけでなく、そうした方向性を探ってみるべき」と話した。
 
デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木 康弘氏

 郡司氏も「商品を買おうとしたとき、友人のレビューが出るような仕掛けがあれば目を引く。例えば、『醤油だったら何がおすすめですか?』と問いかけると、友人が投稿したコメントが出てくる仕組みがあるといい」と重ねた。
 
店舗のICT活用研究所 代表 郡司 昇氏

 一方で、メーカー側からの意見として、サントリーの中村氏は次のような考えを表明した。

 「様々な小売店舗が自社アプリをローンチし、ダウンロード数を伸ばそうとしている。ただ、機能としては店舗検索、クーポン配信、会員証のデジタル化、チラシのPDF化などしかないのが現状で、インセンティブ以外でお客さまを満足させるコンテンツに課題を抱えている。LINEはインフラ的なコミュニケーションツールである強みを生かして、友人からのオススメ情報のほか、リアル店舗の売れ筋情報をデジタル化する施策はあると思う。それを店舗単位で行うのか、メーカー単位で行うかは、議論が必要になる」(中村氏)。
 
サントリー酒類営業推進本部 部長 中村 直人氏

 そうした中で、オイシックス・ラ・大地の奥谷氏は「LINEのメッセージが他のメッセージに埋もれてしまったり、気づかないことも多い。消費者が店頭でショッパーモードになっているときにタイミングよくアプローチしたい」という課題を指摘。
 
オイシックス・ラ・大地執行役員 兼 COCO(Chief Omni-Channel Officer) 奥谷 孝司氏

 江田氏も、「LINE Beaconで自動的にクーポンが配信されるよりも、自分でスマホをかざしてもらってクーポンを取得するやり方の方がキャンペーンを認知される割合は高かった」とし、消費者に最低限の能動性を求めた方が良いのではという話に及んだ。

 さらに、イオンドットコムの安岡氏は、「来店頻度を高めてもらうために、お客さまに愛着を持って『私のイオン』と思ってもらうことが大事。LINE を使って、一緒にお店をつくっている感覚が生まれると良い。例えば、どこに何が売っているかわからないお客さまに売り場に詳しい別のお客さまがLINE 上で教えてくれたり、店舗の運営をお客さまと一緒に行なっているような関係性を構築したい」と話した。
 
イオンドットコム デジタルマーケティング事業本部 本部長 安岡 智史氏

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