デジタル販促 研究会レポート #02Sponsored
LINEの強みをどう生かす? 見えてきたデジタル販促の可能性と課題 【研究会レポート】
販売スタッフのモチベーションアップの鍵は?
販売スタッフのモチベーションアップにつなげるための店舗や店員評価は、マイナス評価をしがちな日本文化の中で、接客の気持ち良さが加点評価される仕組みをどうつくっていけるのかを探った。
「販売スタッフのモチベーションは重要。床を綺麗にしているのか、きちんと挨拶ができているのか。それで売上が変わってくるのは事実としてある」(鈴木氏)。
「ココカラファイン時代に、自社アプリをつくったときに最初に入れたかったのが店舗評価。ただ、ドラッグストアは接客する店員とレジ担当の店員が違うことが多く、どちらの店員の接客が良かったのかPOSレジから紐づけることが難しかった。接客する店員とレジを打つ店員が一致するアパレルなどの業態に適しているのではないか」(郡司氏)。
「1回目は挨拶について、2回目は接客内容の評価など、企業が抱える課題に応じて質問項目を决めていく必要がある。また、ひとつの項目だけを聞くと、店舗イメージをブランドで評価してしまうことも多い。特に販売員の評価は難しく、多面的に評価を聞く必要がある」(奥谷氏)。
「Facebookの“いいね”のように、負担なく気軽に従業員に“いいね”を付与できる仕組みはモチベーションが上がるのではないか。また、どういうタイミングで“いいね”されたかをモニタリングできたら、同じ行動をもう一回やろうという動機付けになりそう」(富永氏)。
「パート従業員同士でも“いいね”ができたら、良い関係につながる。“いいね”が集まった人を表彰するなどのエッセンスを店舗のオペレーションに入れてパッケージ化するとモチベーションアップにつながると思う。ただ、店舗運営の現場はやるべき作業が膨大なので、新しいことをやってみるリソースが限られている。そこが一番の問題かもしれない」(安岡氏)。
「従来、手書きで店舗でとっていたお客さまの声カードがデジタル化できる可能性がある。しかも、その声を書いたのが友だちで、この店舗で買ったこれが美味しかったと表示されれば購買につながる。コンビニとスーパーでは滞在時間も棚の本数も違うので、違った傾向も見えてきそう」(中村氏)
そのほか、「LINEウォレット」のマイカード機能のような、快適な買い物をサポートする機能は、自社アプリを持っている企業などには難色が示されるケースも想定できるという意見も出てきた。それに対し江田氏は、「今後、さらに他アプリとLINEとの連携を図りつつ、購入時にユーザーがストレスのない支払いができるような方法を考えていきたい」と語った。
さらに、ボードメンバーからは、LINE 自体が運営主体となり、テクノロジーを活用した新規店舗を自ら出店してはどうかというアイデアが出た。LINEが小売事業への参入という可能性も議論された。
今回の議論の内容と、候補店と意見をすり合わせながら再現性のある実証実験の具体的な内容を決めていくとし、第2回研究会は終了した。
※本記事内の内容・数値は、取材時点(2019年10月)のものです。
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