関西発・地方創生とマーケティング #16

なぜ祇園辻利は、お客さまから長く愛され続けるのか

マーケティングへの理解をどう社内に浸透させていくのか


 お茶を売るためにスイーツを提供したり、舞妓さんの口コミで商品を広めたりといった、祇園辻利のマーケティングは故・会長自らが行うという文化が根付いていました。しかし、8年前に外部の委託会社と一緒にブランドデザインを統一したものの、それを社内に根付かせるためには、大変苦労されたようです。

 ブランドデザインを統一する前は、筆の立つ店長がいる店のお品書きは筆で、そうでない店はラベルプリンターで、という具合に店舗ごとに表現がバラバラだったとのこと。それらを単純に統一したからといって、社内に意識のレベルまではスムーズに浸透しなかったそうです。

 その理由のひとつが、社内にデザインの専門家がいなかったこと。そこで、まず社外からデザイナーを採用し、3年前にはマーケティング担当者を採用して、マーケティング課をつくったそうです。ただ、昔からいる社員にとっては、販売先への営業と店舗での販売が基本ビジネスで、目に見えない投資と思われがちなマーケティング課は何をしているのか、未だによく分からないという声が出てきます。





 つまり、社内の意識を揃えるためのインナーブランディングが出来ていないとリブランディングも上手くいかないということですね。なぜブランドデザインを統一したのかという狙いが分からない人たちに、どうやってその意義を伝えて自分ごと化してもらうのか、なかなか難しいものです。

 さらにブランドデザインを統一する作業には、パートナー企業と一緒に祇園辻利の社員も加わっていたそうですが、自分たちのモノと言えるほどまで身につけることができなかった、と。

 これについては、近鉄・都ホテルズでも2019年4月にリブランディングを行いましたが、確かに社内外への浸透には時間がかかると実感しています。また、数年前からブランディングを実施されたヤンマーの担当者の方に話を伺うと5年、10年単位で見ないと効果は分からないとおっしゃっていました。

 それともうひとつ「どこまで社内でやるのか、その判断が難しい」と仰います。どういう業務を何人で担当するのか、何を社内で行い何を外部に任すのか。これについては皆さんも悩まれたことがあるのではないでしょうか。

 祇園辻利では、それまでブランドデザインの変更をはじめとするブランディングやマーケティングは、故・会長の一存で決まっていたため、それを社員や外部の会社で行うことでハレーションも起きたそうです。そのため現在は、マーケティングの役割を社内に伝えることにも取り組まれています。

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