最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #07

東京オリンピック開催中は、注文しても商品が届かない? ネット通販の物流事情を予測

前回の記事:
Amazonの配送会社が急変し、熾烈になる競争。2020年EC物流大予測

東京五輪期間中の交通事情は、どうなる?


 2020年7月24日から、いよいよ東京五輪が開催される。都内が混雑するためリモートワークに関するニュースも話題になっているが、都内の道路が混めば当然ながら物流にも影響を与えることが想定される。そこで流通経済大学 矢野裕児教授に五輪期間中の物流について話を聞いた。
 
矢野裕児教授・左(日本物流学会副会長、日本商業施設学会長、日本ダイレクトマーケティング学会理事、交通政策審議会物流部会委員・国土交通省、荷主と物流事業者が連携したBCP策定促進に関する検討会委員長・国土交通省)、筆者・右

 矢野教授からは、まず大会期間の交通事情について次のマップを紹介された。「東京オリンピック・パラリンピック準備局(以下、準備局)」のホームページに掲載されている「大会輸送影響度マップ」だ。
 
「大会輸送影響度マップ」https://2020tdm.tokyo/map/

 このマップは大会開催期間中の日別・時間帯別の交通量の変化を予測している。まずは新国立競技場で陸上競技がスタートする2020年7月31日13:00~14:00の道路状況を見てみよう。すると、高速道路のみならず一般道でも通常の3倍近くの交通量に達する箇所が都内にひしめいていることが分かる。

 その理由は東京五輪に向けて東京近郊に1万1000人の選手、2万5000人のメディア関係者、780万人の観客が殺到するからだ。準備局では選手や大会関係者の道路利用だけで1日あたり、約7万台の交通量が増すと見込んでいる。

 東京五輪開催中、ネット通販の商品は東京近郊の顧客に届くのだろうか。その期間の東京都と国の対策はどうなっているのだろうか。

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