ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #20

有名テクノロジー企業も多数出品。米国発b8ta 北川卓司・日本代表に聞く日本進出の勝算

店内スタッフへのトレーニングを強化

 
郡司 b8taとして、特に力を入れているポイントはどこですか。

北川 
我われが最も力を入れているのがスタッフのトレーニングです。新しい出品が決まると、スタッフがその製品を学ぶシステムがあります。また、説明が難しい製品の場合、その製品のエンジニアやブランドマネージャーから説明してもらい、スタッフ間で共有しています。

面白い機能としては、スタッフと出品者がチャットで直接、会話できます。「30代の男性が立ち止まる数が増えてきた」というとき、なぜそういうことが起きたのかを知るために出品者がスタッフに質問できます。逆もしかりで、お客さまから質問が来たけど答えられなかったとき、メーカーにスタッフから聞くことがあります。

メーカー側はプラットフォーム上でデータを確認でき、ダッシュボードでデモグラフィックや性別、年齢層などを把握し、什器を通り過ぎた顧客の数、製品の前で5秒以上立ち止まった人は「興味がある」と自動的にカウントされます。

米国では店内でイベントを多く開催しており、エンジニアやファウンダー、マーケティングマネージャーなどに製品の良さを伝えてもらっています。これは日本でも行う予定です。

これら全てをワンパックで、RaaSとして提供していこうと考えています。米国ではECサイトも開設していますが、日本では年内に開設できればいいなと思っています。



郡司 どんな製品を置いていきたいと考えていますか。

北川 
一般的な小売業ですと、ロングテールで稼ぐモデルなため、サブスクリプションモデルの製品は販売したがりませんが、b8taでは多く置こうと思っています。

さらにエクスペリエンスルームは、ブランディングを目的にした企業に利用してもらいたいと思っています。例えば、米国では発売前のBMW miniの電気自動車を置いてもらったりしていました。

郡司 タブレットからは、どのようなデータを取っているのですか。

北川 
以前はカメラを使って情報を取得していたのですが、プライバシーの問題で難しくなったため、現在は使っていません。その代わり、デバイスの動画再生回数や離脱などを見ています。

※    第2回 「販売員で差別化」b8ta日本代表が語る、体験型RaaSで最も重要なポイント に続く
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