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次のECの鍵は「Cross Dimension」にある #01

自己変革なくして成長なし!テクノロジー活用の要諦【ディノス・セシール 石川森生】

紙媒体のCRM技術を核に、テクノロジーで現代化を図る

 EC界隈で10年間仕事をして、ディノス・セシールというカタログ通販企業で、デジタルとアナログをマージするような取り組みをにわかに実施したことで、意図せずマーケティングの最前線に自らを投げ込んでしまった。

 おかげで多くの取材や講演の機会をいただき、ついには執筆の依頼もいただいくに至った。この状況を「そんなの関係ねぇ!」でお馴染みの小島よしおさんが深夜番組で「本当に売れていたのは、実は半年間だけ」と語っていた姿にダブらせて、なんとか2019年まで生き長らえる方法をもっぱら思案していることを最初に吐露しておく。

 私が飛び込んだカタログ通販業界も、私が消えるスピードには勝らずとも、斜陽産業と認識されて久しく、バラ色の未来が描けていないのが現状だ。そんな中で、私に課せられたミッションは、EC業界で培ったナレッジや考え方をカタログ通販ビジネスに還流し、非連続的な成長のためのタネを蒔くことだ(本当は発芽させて、花を咲かせるところまでだ)。
 
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 しかしながら、1000億円を超える売上規模を有するEC専業企業は、日本では片手で数えるほどしか存在していない。つまり、老舗のカタログ通販モデルをリプレイスする難易度がいかに高いかは、ECを生業とする人間であれば誰でもわかる、議論の余地すらない事実である。

 よって、導き出される戦略は自ずと定まる。それは、「半世紀近く積み上げてきた、世界でも有数の通信販売に関するアセット。特に、競合優位を保つ紙媒体を用いたCRM技術をコアコンピタンスに掲げつつ、それをテクノロジーの力で『Modernization(現代化)』させる」という考えだ。

 期せずして、この思考が昨今の「OMO(Online Merges Offline)」という潮流と重なり、オムニチャネルの次のテーマを模索する集団(企業、またはマーケター)の活動と呼応したように思う。この動きを挑戦的かつ大袈裟に、新しいバズワードを狙って「Cross Dimension」と表現してはどうだろうか。
 

Dimension:a part of a situation or a quality involved in it [側面・次元・特徴]



 「Cross Dimension」は、リアルやアナログ、Webやデジタルと呼ばれる顧客接点ないしは、ソリューションのクロスに留まらず、業種業態、業界、過去、未来といった時間軸も含めて、すべてのナレッジやノウハウを結合させる挑戦のことを意味する。本稿では、このテーマについて、ECという軸から深掘りをしていきたい。

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