ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #22
「マスク先着順」販売の否定で、ドラッグストアの利益と働きがいが向上するかもしれない
2020/03/25
数カ月後の数値はどうなるのか
数カ月後、無策だった場合はどうなるでしょうか。店舗への期待が最も大きい優良顧客を3%、通常顧客を1%失い、チェリーピッカーは以前から特売品しか買わないので不変、非会員も不変とした場合の収益は、以下になります。
月間ユニーク客数がマイナス70人、売上高がマイナス42万円、粗利益額マイナス13万1400円となります。
では、優良顧客への贔屓策により、優良顧客を維持して通常顧客の2%が優良顧客に移行し、チェリーピッカーは30%減少した場合の収益を見てみましょう。
月間ユニーク客数はマイナス300人、売上高はマイナス76万円、粗利益額プラス1万1800円となります。優良顧客を贔屓することで、客数・売上高ともに無策よりもダウンしましたが、粗利益額はアップしました。
この計算は、あくまで机上の空論ではありますが、傾向として「優良顧客>通常顧客>他」という優遇により、売上が下がっても利益を確保することにつながります。
また、次のツイートにあるような買い占めや転売目的で、同じ人ばかりが買い続けることを防止できます。
店員の負担、収益の両面において、現状よりは店舗と顧客のWin-Winに少しずつでも近づけるのではないかと考えます。
では、どうすれば「優良顧客→通常顧客」の順番にまんべんなく行き渡るようにできるのでしょうか。この「人を贔屓する仕組み」については、後編で紹介していきます。
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