OMO時代のリテールデジタル戦略 #02
コロナ危機を迎えた小売店舗、今こそ本気で「OMO」に取り組まなければならない
OMO実現に必要な3つの要素
では、具体的に何をすればよいでしょうか。どういったデータを取ればいいのか、何のマーケティングツールを入れればいいのか、どこでアプリをつくればいいのか……これらは手法ですね。まずは、目指すべきことをはっきりさせましょう。
「OMO=オンラインとオフラインの融合を前提とした戦略」におけるテーマは、「お客さまとの継続的な関係の構築」であり、その実現に向けて「①個客理解の深化」「②コミュニケーションの進化」「③提供価値の向上」の3つが重要だと考えます。
①個客理解の深化
・お客さまを属性やクラスタといった集合体としてだけでなく、「“個”客=お客さまそれぞれ」で捉える。
・オンラインのデータに加え、オフラインでの行動もデータ化しマージすることで「個客理解」を深める。
②コミュニケーションの進化
・個客それぞれの「嗜好や行動にマッチした情報」を提供できるようにする。
・常時オンライン状態にある個客に対し、「最適なタイミングやシーン」で情報を提供できるようにする。
・個客のリアクションを捉え、さらなる行動につながる情報を提供できるようにする。
③提供価値の向上
・ネットとスマホを通じて、またリアル店舗を通じて 「一貫性があり、気の利いた対応・サービス」を提供できるようにする。
・個客にとって「生活が変わる・向上する」ような利便や、「喜び・感動」といった体験の提供ができるようにする。
それぞれの企業で「いまやれていること・やれていないこと」や「ビジネス展開上の強み、アセット」は大きく異なるため、「これをやりさえすれば」という方程式はなかなかないと思いますが、やっている・やろうとしている施策やツールの導入が、常にこの3つに向いているか、立ち戻りつつ進めていくとよいと思います。