OMO時代のリテールデジタル戦略 #02
コロナ危機を迎えた小売店舗、今こそ本気で「OMO」に取り組まなければならない
これからのリアル店舗の役割や価値とは?
今後は、「オフラインを軸にしてオンラインを活用する」=リアルチャネルを主軸にしつつ、デジタルチャネルやデジタルマーケティングを活用していく。または「オフラインを軸に、オンラインをアドオンする」=リアル店舗を主軸にしつつ、その補完・アドオンとしてECを整備する。こうしたアプローチ自体が古くなると言われています。
デバイスや通信環境の進化・向上も相まって、いまや消費者・お客さまは「常時オンライン=オンラインこそがメインチャネル」であり、オフラインはその一部分に過ぎなくなっています。もちろんリアル店舗がいらなくなるといった短絡的な話にはならないにしろ、これからのリアル店舗の役割や価値について、改めて考えていく必要があるでしょう。
例えば、「D2C(Direct to Consumer)ブランド」などはひとつのヒントになるでしょう。オンライン中心と思われるD2Cブランドも、リアル店舗を展開していたりポップアップストアを出したりしていますよね。
リアル店舗を構える以上、もちろん「ブランドや商品・サービスの認知向上」も狙いとしてあるわけですが、そこには「売上ではない目的」があり、ブランド設計・顧客コミュニケーション設計の中で役割を担っているわけです。
その目的とは、例えば「マーケットイン」的な部分、つまりブランドや商品・サービスに対するお客さまのリアクションやニーズを面と向かって把握することだったり、リアル店舗でしか得られない・対面のほうが得やすい個客データを取得する目的(=個客理解の深化)であったり、対面でしかできないハイタッチな部分のコミュニケーション(=コミュニケーションの進化)であったり、商品・サービスの体感・体験自体やその補助、カスタマーサポート(=提供価値の向上)などが挙げられます。
D2Cブランドのリアル店舗の役割は、前述の「お客さまとの継続的な関係の構築に向けた3つ目指すべきところ」を向いている気がしませんか?