最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #10

コロナ禍で注文が殺到、オムニチャネル実現の重要キーワード「在庫引当」とは

 

オムニチャネルでの在庫引当順は?


 オムニチャネルをスタートする際は、店舗在庫とWeb(ECサイト)在庫の一元化が重要になる。これにより店舗にない在庫をWebから店舗に取り寄せることが可能になり、さらにWebにない在庫を店舗から注文することもできる。

 賢明な読者はすでにお気づきかと思うが、ひとつしかない商品に同時に店舗のお取り寄せとECサイトから注文があった場合、在庫引当順をどうするかが重要になる。

 この場合、基本はECサイトからの注文を優先引当にする。なぜならECサイトは明確な購入意思だが、お取り寄せの場合は、店頭に商品が到着した後での購入意思決定となるからだ。逆にすると、ECサイトの顧客から重大なクレームが寄せられることになる。

 成功しているとあるアパレル事業者では、店舗からのお取り寄せデータは、必ずECサイトから注文が入っているかを確認した後に在庫引当を行っている。コロナ禍が到来するずいぶん前から、そのシステムは構築され運用されていた。
 

アフターコロナで、オムニチャネル・システムと物流構築がますます重要に


 冒頭で、リアル店舗で事業拡大し、その後にEC事業を付加した程度の事業者が重大局面を迎えると警告を鳴らしたが、現在のコロナ禍において躍進している企業と、Webをやりながらも低迷している事業者の差はどこにあるのか。次の2点が分かれ目になっている。
 
  • オムニチャネルに対応したシステム化がされているか
  • 物流体制強化を行っていたかどうか

 時代の変化は不可逆で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことはあっても、後退することはない。

 多少の時間とコストはかけても、しっかりと新しい時代に適合できるシステムと物流体制の構築を行い、アフターコロナ時代を乗り切っていってくれることを切に願っている。
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