ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #28
Amazonの新サービス「Dash Cart」が、「Amazon Go」より普及する可能性がある理由
Amazon Dash Cartはどう使える? 3つのポイントを解説
概要は、Amazonがつくった1分少々の動画で理解できます。
Introducing Amazon Dash Cart
この動画を見ると、Amazon Dash Cartを利用するための流れがわかります。
1.(AmazonGo同様に)専用アプリをダウンロードして、Amazon.comのアカウントを登録する。
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2.カートのQRコードスキャナー(各種クーポンもここで読み取る)に、スマートフォンのアプリでQRコードをかざす。
↓
3.マイバッグをカートにセットする。
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4.バーコードスキャナーでスキャンしながら買い物する。バーコードのない量り売り商品(青果など)は売場に、PLU(Price Look Up:価格参照)番号が表示されているので、PLUを入力してカートに入れると重量測定されて登録される。
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5.専用レーンを抜けて、そのままマイバッグごと持ち帰る。(AmazonGo同様に)あとで電子レシートがアプリとAmazon.comアカウント宛に届く。
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2.カートのQRコードスキャナー(各種クーポンもここで読み取る)に、スマートフォンのアプリでQRコードをかざす。
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3.マイバッグをカートにセットする。
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4.バーコードスキャナーでスキャンしながら買い物する。バーコードのない量り売り商品(青果など)は売場に、PLU(Price Look Up:価格参照)番号が表示されているので、PLUを入力してカートに入れると重量測定されて登録される。
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5.専用レーンを抜けて、そのままマイバッグごと持ち帰る。(AmazonGo同様に)あとで電子レシートがアプリとAmazon.comアカウント宛に届く。
このポイントは、3点あります。
ひとつ目は、Amazon Goとの対比です。Amazon Goは究極の顧客体験かつ店内での顧客行動という宝の山が得られますが、導入する小売業側の視点で見ると、ID-POSすら使いこなせない企業が多く、そのスキャニングの正確性が担保されるという価値しか活かせません。つまり現状では、小売業に投資した分の価値を活かす能力がないのです。
2つ目は、Scan&Go型サービスは日本ではようやく出てきましたが、米国では6年以上前(例:Kroger)から、中国では数年前(例:Wechatミニプログラム事例 )から導入されましたが、すでにWalmartやKrogerなどではサービスが終了しています。なぜならば、万引きやスキャン忘れが必ず発生し、専用レジ(またはレーン)の監視を増やすとコストメリットや快適な顧客体験がなくなるからです。
3つ目は、訪問客にカートを使ってもらうことで、業種業態にもよるが(手が空き、重さを感じないため)1~3割ほど客単価が上がることが期待できます。特にドラッグストアでは多くの場合、カゴひとつで買い物が済むためカート利用率が現状低く、この仕組みを導入することで客単価アップというメリットが大きいと考えます。