加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #03
通販の本質は「教育業」、成功のカギは「LTV最大化」にある
2020/07/31
単品通販(D2C)の本質は「お客さまとの関係を築くこと」
個人的には単品通販(D2C)の本質は、「初回申込をきっかけとして、そこからお客さまとの関係性を築いていくこと」だと考えている。もっと言えば、単品通販(D2C)とは「教育業」なのだ。
極端な話、プロテインや青汁、クレンジングといった商品自体は、実店舗でいくらでも買うことができる。だからこそ、「“売れる”ネット通販(D2C)」は、お客さまと常にコミュニケーションをとり続け、情報という価値を提供しているのだ。
例えば、ダイエット関連の商品を扱っている場合は、脂肪の恐怖や正しい運動の仕方、適正な体脂肪率を維持することが健康な人生を送る上でいかに大切か、といったことを伝えている。化粧品を扱っている場合は、正しいスキンケア法や、美肌を保つ食事、季節に合わせたメイクアップ法などの情報を提供している。
そうやって常に情報を発信していると、お客さまは商品だけでなく、その会社が発信する情報に価値を感じるようになり、普段の生活における意識が変わっていく。ダイエットをしたい人は「もっとヘルシーな食生活をしよう」とか「たまには運動しよう」といった気持ちになり、化粧品を購入している人は「もっときれいになりたい」と思うようになる。そういった意識の変化が、最終的にはその人の人生を変えていくのだ。
商品と一緒に情報を届けることで、お客さまに「自信」がつくという効果もある。お客さまは、健康に関する情報を得ることで「健康になった気がする」、美容に関する情報を得ることで「きれいになった気がする」と感じるのだ。
お客さまの意識や生活習慣を変えていく、お客様に自信を与えるという点が、通販(D2C)が「教育業」だと言えるところであり、それこそが本質的なCRMなのである。
定期コース(サブスク)の継続回数が5~6回で終わってしまう通販(D2C)会社もあれば、ファンづくりが上手で、定期コース(サブスク)の継続回数が10回以上の通販(D2C)会社もある。その違いは、ただ自社商品を売り込むだけでなく、「お客様にとって価値のある情報を発信できているかどうか」なのだ。
LTVが思うように上がらないと悩んでいる単品通販(D2C)は、一度「売らないCRM」を実践してみてほしい。売るためのフォローメールやDMなどはもちろん大切だが、それとは別に「お客さまとコミュニケーションをとること」「お客さまに価値ある情報を届けること」に特化した情報発信を増やしていくのだ。
最初はまどろっこしく感じるかもしれないが、「売らないCRM」を意識し始めると、次第にファンが増え、長期的にはLTV向上につながっていくはずだ。
初回申込をきっかけとして、その後の引上、クロスセルで中長期的に利益を出すビジネスモデルである以上、単品通販(D2C)で儲けるためには、LTVの最大化が最も有効で本質的な方法である。
第4回では、LTVの最大化につながる「ツーステップマーケティング」について詳しくお話したい。次回もお楽しみに。