ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #29

九州の雄コスモスは、首都圏ドラッグストアに勝てるのか

前回の記事:
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注目の新店舗視察レポート


 もともとこの連載は、「国内外のニュースから可能なものは自ら体験しつつ、今後のリテールのあるべき姿と未来像を紹介していく」ことが目的ですが、政府の緊急事態宣言を受けて店舗視察が難しい状況が続いていました。

 今回から数回は、緊急事態宣言解除後の6月になってから注目の新店舗を視察したレポートになります。
 
  • コスモス薬品上野毛店(4月14日開店)

 かつて大井町線上野毛駅のドラッグストアと言えば、駅から5分ほど東に歩いたところにあるトモズ上野毛店でした。

 筆者は約20年前、30歳前後の頃、クリエイトSDホールディングスの廣瀬泰三社長が当時経営していたコーエイドラッグ(現在はトモズ)の保険調剤薬局の薬局長をしていたのですが、上野毛店はコーエイドラッグの売上No.1店舗でした。近くに一時ファーストリテイリングの生鮮野菜事業SKIPが出店したこともある可処分所得の多い地域です。

 その後、トモズ(旧コーエイドラッグ上野毛店)の100mほど駅寄りにマツモトキヨシが出店しましたが、どちらも黒字運営はできていたと推測します。

 さて、そのトモズ(住友商事子会社 年商非公開:推定700億円強)と、マツモトキヨシ(2020年3月期 年商5905億円)の間に、九州を地盤とするドラッグストア業界3位(2019年5月期年商6113億円)コスモス薬品が出店したのです。
 
ディスカウントドラッグコスモス上野毛店とトモズ上野毛店(筆者撮影)

 コスモス薬品の強みのひとつは、構成比56%の食品です。日本のドラッグストアの多くの食品構成比は10~20%であり、菓子・飲料・日配品などの安売りで集客に利用していますが、コスモス薬品は食品をマーチャンダイジングの中心とした経営で一線を画しています。

 ドラッグストアの1店舗あたりの年商平均は3億6000万円前後ですが、コスモス薬品は6億円前後あります。1店舗あたりの売上高が大きいということは、効率化の余地が大きいということであり、販管費比率が低い経営を実現しています。

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