関西発・地方創生とマーケティング #22

新型コロナで、顧客がホテルに求める価値は変わったのか

 

ホテルは「目的」なのか「手段」なのか


 コロナ前後で、「ホテル利用に関して、変わったか変わらないか」の違いは、ホテルを「目的」として利用していたか、「手段」として利用していたかの違いだと思います。

 例えば、「非日常を体験するため」として、ホテルそのものを「目的」として利用する人は、コロナ禍においても、変わらずその目的のために利用します。一方で、出張など「手段」として利用していた人は、今は利用せずにオンラインあるいは極力、日帰りで済ませたいと考えています。

 また、どういうメディアからホテルの情報を手に入れるのかについては、非日常を求める方はSNS、仕事に利用する方はOTA(Online Travel Agent)、そして双方、各ホテルのWebサイトも使うということでした。特に非日常を訴求するラグジュアリーホテルは、美しい動画をSNSで擬似体験できるように流すのが良いという意見もありました。

 すなわちホテル事業者は、自分たちのホテルが「目的」として利用されているのか、「手段」として利用されているのかを明確化させて、マーケティングしなければいけないということですね。

 その他、興味深いコメントとしては、「部屋の楽しみ方」についてです。例えば、小さな子どもがいるお客さまであれば、機関車トーマスなど人気キャラクターとコラボレーションした部屋というだけでテンションが上がるし、カップルであれば、ラグジュアリーホテルは部屋から出るのがもったいないので、室内で長く時間を過ごすいうことでした。



 特に、ラグジュアリーホテルは非日常を体験するためのもので、リピートするかどうかは、スタッフによるホスピタリティ次第。例えば、以前来たことをスタッフが覚えていてくれたら、嬉しいと言います。また、普段はなかなか泊まることができないけれど、今だから特別にエントリープランとして安くすれば、利用してくれる可能性があるという意見がありました。
 
重要なのは衛生対策ですね。

 そのほかには、過去の体験から高級ホテルは設備、品質、サービス、料理もしっかりしているけど、格安ホテルは衛生面から信用できないので、現在は極力利用しないという人もいました。

 特に衛生対策は、そのホテルのブランドで、ある程度は信用できるけど、除菌対策が医学的な見地からもお墨付きであるなど、しっかり対策されているホテルならば、2割ほど高くても利用するという意見もありました。

 さらに面白かったのは、本人はさほど衛生面を気にしていないけど、自分より警戒心が強い家族の合意をとることが大変だという意見。実は、我が家もそうです。

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