OMO時代のリテールデジタル戦略 #04

買い物に幸福感を与える「セレンディピティ」は、コロナで失われたのか

 

セレンディピティを演出する4つの要素


 では、セレンディピティはどのように生み出すことができるでしょうか?

 思いがけない出会いに価値や喜びを感じる、その主体はもちろんお客さま側なわけですが、リテール事業者側としてそれをどう演出できるか。セレンディピティを生じさせる・演出する要素について考えてみましょう。

 ①圧倒的な品揃え
圧倒的な品揃えで、「こういう商品があれば欲しいと思ったことがあったな」「こういう不便を解消する商品があったらな」に対してセレンディピティを生じさせるケース。

 ②目利きやセレクトの提案
数ある商材やブランドの中から、「価値あるもの・旬なものが厳選されています」という提案で、出会いの価値自体を高めるケース。

 ③接客や有益な情報
接客における「新たな選択肢の提案・オススメ」や、「そのお客さまにとって有益な情報」によってセレンディピティを生じさせるケース。お客さまそれぞれの理解が深いほど、また情報が有益であるほど、有効に作用するものと考えます。

 ④接点の多さ、滞留の長さ
接点を持つ、滞留することに価値を見出してもらうことで、結果的に出会う(=セレンディピティが生じる)チャンスを増やすケース。

 リアルの場・デジタルの場だからこれ、というわけではなく、いずれの場でもこうした要素の複合的な演出によって、セレンディピティは起きやすくなるのではないでしょうか。

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