ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #30

商品を販売しても1円もお金が入らないお店の正体。日本進出 b8taの最新店舗を体験

 

マーチャンダイジングの質が勝負の鍵


 プロダクトが革新的であればあるほど、不明点を説明してもらいたい来店客が多くなります。ここで良い体験を提供できるかが、メーカー出品者にとって最も重要なポイントとなります。

 b8taでは各店舗100区画の製品を全スタッフが接客できるように教育しています(2店舗145品ということで、7割の商品はどちらの店にも同じものが並んでいます)。

 ここでスタッフの評価基準に、「商品を売ること」が入っていないことがポイントです。販売数を評価に入れると接客に売る姿勢が強くなり、客が製品の体験に集中できなくなるのです。 

 「リテールを通じて人々に“新たな発見“をもたらす」ためには、来店客が必要な時に適切な接客を受けられることが必要であり、マーチャンダイジングの良否が事業の成否を分けます。

 そして、マーチャンダイジングは「消費者の欲求・要求に適う商品を、適切な数量、適切な価格、適切なタイミングなどで提供するための企業活動」のことです。つまり、接客もマーチャンダイジングの重要な要素なのです。

 メーカーは自社のつくり出した品を製品(Product・プロダクト)と呼びますし、小売業は品揃えする品を商品(Merchandise・マーチャンダイズ)と呼びます。製品を商品に変えるマーチャンダイジングは、マーケティング活動のひとつであり、b8taがその方向に大きな影響を与える可能性があると思っています。

 
筆者である郡司氏が、「RaaSの最新動向」についてb8taの北川氏とFABRIC TOKYOの森雄一郎氏に迫るセッションをマーケティングフォーラム「ネプラス・ユー」でオンライン開催します。詳細は、こちらをご覧ください。
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