関西発・地方創生とマーケティング #25

ユーグレナが18歳以下限定で「CFO(最高“未来”責任者)」を募集した理由

 

CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)に機会を提供


 永田さんは「自分より年下の方が絶対に優秀だ」という信念を持っているそうです。「そうでないと人類は進化しない」と言います。

 現時点では経験や知識の上で自分の方が優れていたとしても、彼らが今の自分と同じ年になる時には、今の自分を超えている。つまり、生物として上ということですね。そして、その考えが生かされた取り組みについても紹介してくれました。

 永田さんは、CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)から副社長になり、会社全体の戦略を書き直すとき、その中心軸はサステナビリティ・ファーストだと、改めて再定義するところからスタートしました。

 そして「自分たちらしさ」を突き詰めて、それを最速で最大のインパクトを残すために、未来やサステナビリティについて考える、そして決める。その考えて決める人をもっと強烈な状況にしなければならないと考えたそうです。

 とは言え、自分たち経営層がその役割を務めていては、頭のどこかに売上や利益のことがあって、純粋に未来のことだけを考えるのは難しい。そこで、そこを解脱した状態にしなければならないと考え、誕生したのが18歳以下限定で募集した「CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)」です。会社と未来を変えるためのすべてが、業務範囲です。
 
初代CFOの小澤さんと。

 最初は、子どもたちが100円から買える「子ども株主」という制度を考えていたそうですが、金融商品取引法上難しいことが分かり、CFOを新設することにしたと。ちなみにCEO(Chief Enviranment Officer:最高環境責任者)も考えていたんだそうです。

 この取り組みで一番良かったのは、「既存ペットボトル商品の全廃、2021年中に当社商品に使用される石油由来プラスチック量の50%削減、これを会社の公約に出来たこと」と永田さんは言います。また個人的には、今の10代が何を考えているのか、経営者として知ることが出来たことが良かったそうです。
 
CFO(最高未来責任者)による提案から決定したユーグレナの挑戦

 「次の世代にとって、問題なのは未来を良くする機会がないことです。CFOには、その機会を与えます。それが上の世代がやるべきこと。また、“良いことをやるなら人前で”と思っていて、CFOの活動も世の中に知れ渡らなければならないと考えていたのですが、それがきちんと拡散できたのは良かったです。ただ、多くの企業がヒアリングに来られましたが、結局どの企業も実行には至っていません。

 良い活動だと思ってくれたのなら、真似してほしいし、活動が広がることで平準化してくれたら嬉しいんですけどね。決してマーケットでポジションをとることではなく、マーケット自体の認知変容、行動変容を目的とした活動なので」と、想いを話されました。

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