関西発・地方創生とマーケティング #25
ユーグレナが18歳以下限定で「CFO(最高“未来”責任者)」を募集した理由
石垣島での取り組み。それから、マーケターへのメッセージ
ユーグレナや、その親戚とも言えるクロレラは、九州、沖縄、台湾など太陽が降り注ぐ地域で生産されます。その中でも、石垣島には沖縄県で一番高い山があり、水資源やミネラルも豊富なことから、ユーグレナの生産地として選んだそうです。
石垣島は豊かな島ですが、ホテルもスーパーマーケットも外資、
苦労して開拓した島に、
また、人が訪れる場所には、それぞれ何か意識として持って帰るものがあるけど、そういう意味で石垣島とユーグレナ社を結びつけようとしているそうです。そのために石垣島と他の離島を移動するための港である「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」、石垣市の商店街である「ユーグレナモール」のネーミングライツも取得されています。
実際に永田さん自身も、石垣島で家族と1カ月間生活してみたそうです。それまでは、通勤時間は最も価値を生まないからと、ずっと会社の近くに住んできたそうですが、会社を次のステージに持っていくためには、オフィスに自分がいなくても成長できる会社にしなければと考え、石垣島に渡ったと。
実際にオフィスから離れる生活を送るなかで、色々な学びもあったそうです。たとえば、仕事はコミュニケーションと集中する時間の区切りが必要だけど、オフィスだとどこまでもコミュニケーションが取れる時間になってしまう。オフィスから離れたことで、そこの切り分けができ、何かを創造する時間が取れるようになり、無駄な移動時間も削減できたし、仕事の効率は数倍に上がったそうです。さらに仲間の成長にも、良い効果が見られたと言います。
「人にとって何かを決めるというのは、実はストレスのかかる行為。オフィスにいると社の仲間が判断を求めてやってきます。でも、他の誰かが決めている限り、その人には責任と意思決定力がつかないと思っていました。それが今は、適切な距離感、頻度を保てるようになったことで、仲間の成長につながっていると実感しています。あらゆるコンテンツの中で自然だけは何かを変えたり移動することができないので、自分たちが自然の中に移る。インターネットがあれば仕事を進める上で何ら問題はありません」
ただ、100%リモートで行うのは無理だそうで、「相手の心に火をつけるためはフィジカルに会ったほうが良い」と話されていました。
その後、石垣島から本州へ戻ることになったとき、その生活を楽しんだ家族から「東京に住む意味が分からない」という言葉があり、現在は東京から少し離れた自然の中に住み、ときどき東京へ出張する生活を送っているとのことです。
最後に、永田さんからマーケターの皆さんへのメッセージです。
「すべてのマーケターは、『自分が売ろうとしているものが10倍売れて、社会が良くなるのか?』、という問いを持ち続けて欲しいと思います。我われは社会の認知を変容させ得るとんでもない力を持っています。その力を何に使うのかという問いを、自分に対して立てられているでしょうか。
バングラデシュで活動をしていると、自分たちが恵まれた状況にあることを痛感します。我われは、間違いなく世界の上位10%には入っています。大学に行くことができ、衣食住が揃っていて、安心安全に暮らせている。
そんな人がマーケティングをするときに、年収を上げることが目的でいいのか。自分の信じる道にその才能を使うべきだと思います。ユーグレナは、そのセレクティッドな才能を、意味のあることに使う機会を提供していきたいですね」(永田氏)
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