加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #05
ネット広告のクリック率を最高に上げる、4つのテクニック
2020/10/13
3. モデルやタレントではなく「商品」の写真にする
広告原稿(ディスプレイ広告)において、キャッチコピーの次にクリック率に影響するのが写真である。写真の優劣により、クリック率に最大1.5~2倍の差が出る。
ズバリ答えを言ってしまうと、広告原稿(ディスプレイ広告)の写真はモデルやタレントよりも、シンプルに「商品」の写真にするとクリック率が上がる!
『売れるネット広告社』では、これまであらゆるクライアントで写真のA/Bテストを行ったが、クリック率でもコンバージョン率でも、モデルやタレントの写真が商品の写真に勝つことはなかった。
確かに有名人を使えば目を引くかもしれないが、広告の目的はあくまでも商品を売ること。有名人の写真を使った広告がクリックを集めたとしても、それはユーザーがモデルやタレントに興味を持っただけで、商品の申込みにはつながらないケースが多いのだ。
もっと言えば、有名人の写真を使うことで、クリックされるチャンスが減ってしまうことすらある。特に女性は、モデルやタレントの好き嫌いが激しい傾向があり、嫌いな有名人が広告に出ていたら絶対にクリックしない。
多くの単品通販(D2C)会社は有名モデルやタレントに数百万円、時には数千万円という大金を積んで広告に起用するが、残念なことにネット広告においてはそれが無駄金になってしまうことが多いのである。
ちなみに、ここ10年はSNSが発達したこともあり、プロのカメラマンが撮った写真より、素人がスマートフォンから撮ったような写真を使ったほうが、いかにも広告っぽく見えず、情報っぽく見えることからクリック率が上がる傾向にある。
4. 純広の場合は媒体の掲載面になじむデザインにする
広告原稿(ディスプレイ広告)のデザインにおいて最も重要なこと、それは純広の場合は「媒体の掲載面になじむデザイン」にすることだ。つまりは、「動きのないコンテンツ風のデザイン」である。
多くの広告主は、「とくかく目立たせればいい」と考え、派手な動きを付けたりするが、それでは逆効果。お客さまは情報を得るためにネットを使っているため、いかにも広告っぽい、派手なディスプレイ広告ほど無視されるという傾向にある。
したがって、ディスプレイ広告のクリック率を大幅に上げる方法は、ズバリ“動きをなくし、キャッチコピーをメインにする”こと、そして“なるべく出稿している媒体のコンテンツになじむデザインにすること”である。
つまりは情報っぽい、もっというと“コンテンツ風”の広告原稿(ディスプレイ広告)を制作することがクリック率を最大化するためのコツである。動きがなく、キャッチコピーが立っていて、媒体のページと馴染んでいれば、ユーザーは本能的に無視をしなくなり、広告を見てくれるようになる。
また、動かないキャッチコピー、つまり動かない文字は「広告だ」と思っても、無視する前の時点で内容が頭に入ってきてしまう。ユーザーに無視されたくなければ、派手にして目立たせようとするのではなく、あたかも媒体の1コンテンツであるかのように自然に見せることが大事なのだ。
一方、媒体社によっては媒体コンテンツと類似したものは考査で不可とされる場合がある。その場合でも最低限「動きを一切つけない」「キャッチコピーをしっかりと表記する」ことだけは実行するべきだ。
ネットユーザーを理解し、ネット広告が無視されることを前提に戦略的な広告原稿(ディスプレイ広告をプラニングする)をつくると、クリック率は劇的に上がる。
ネット広告のクリック率が下がってきているとはいえ、ユーザー心理をよく理解すれば0.1%のクリック率を2倍の0.2%にすることも、4倍の0.4%にすることも、それほど難しくはない。4つのテクニックを実践して、過去最高のクリック率をたたき出してほしい。
次回(第6回)では、ネット広告のコンバージョン率を最大化させる申込フローについてお伝えする。次回もお楽しみに。