最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #11
2030年の「買い物体験」はこう変わる!人は6つの技術による快適さから逃げられない
2020/10/29
AIがスケジュールからコーディネイトを提案
アップルウォッチから注文したワンピースは、事前に登録してあるミクの体型からパターンが起こされ、ベトナムで生産される仕組みになっている。究極のD2Cだ。
受発注なので、在庫は残らない。中間の小売が省略されているため、オーダーメイドなのだが、価格はリーズナブルだ。数十万人の愛用者がいて、毎日、完成した商品が飛行機便で日本に届く。
ミクのクローゼットはRFIDタグを読み取るリーダーが付いている。新たに読み取られたワンピースの画像データは、Webサイトからダウンロードされ、手持ち在庫一覧表に加えられた。クローゼットに設置されたモニターには服種別に手持ち商品の画像データが分類、保管されている。
AIが搭載されたモニターは、毎朝、ミクにコーディネイトを2~3案提案してくれる。ラフなスタイリングで良い日と、来客があってキチンとしなければいけない日を、ミクのスケジュールから算出して提案してくれる。当日の天気や気温も加味された提案となっている。コーディネイトを決定すると、その服が掛けてあるところにスポットライトが当たるので、あちこち探す時間と手間が掛からない。
会社は出勤が週2日、残りはテレワークとなっている。以前はオール・テレワークだったが、コミュニケーションとモチベーションのためには、出社は必要ということになった。テレワークの日の会議は3D会議に進化していて、バーチャル会議室に全身画像で集合するようになっている。以前のように、ボトムスだけパジャマは許されなくなった。
手持ちの洋服のほかには、サブスクリプリプションのファッションサイトから毎月、高級なファッションが送られてくる。それを送り返すと次のファッションといったシステムだ。特に高価なブランドバッグは毎月、ミクの好みのものが送られてくるので、非常に重宝している。
快適で個性豊かな生活が送れる「ECの未来」
2030年の生活は、いかがだっただろうか。EC通販のインフラとデバイスは、こうした日常が絵空事ではないほど、いまも急速な進化を続けている。
プライバシーや法規制の問題も同時に解決していかなければならないが、快適で個性豊かな生活が送れる「ECの未来」を期待したい。
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