OMO時代のリテールデジタル戦略 #05
2020年代に突入。小売ビジネスは、システム偏重から「マーケティング重視」に変わる
2020年代、「ブランディング・マーケティング偏重」へ
2020年、OMOが当たり前になっていく中で、生活者・消費者を取り巻く環境やその行動に合わせるように、リテールビジネスも急速に「デジタル偏重」「オンラインへシフト」しています。
ECやデジタルは「専門的なもの、専門の部署のもの」「単体のもの」ではなく、オフラインの場を主戦場としてきた部署の業務と融合し、企業全体でひとつになっていくのです。
これは、リアル店舗(リアルチャネル)とEC(デジタルチャネル)をどのように融合できるか、OMOの状態下でどのようにそれぞれの役割を再設計し、ひとつの主体として有機的に機能させられるかという、従来リテールの喫緊の課題でもあると思います。
「D2C」という業態が従来リテールに比べてよりOMOを体現しているように感じるのは、その成り立ちがそもそも「OMOがベース」になっていることはもちろんですが、「オンライン(~オフラインを)駆使した、一貫したエクスペリエンスデザイン・サービスデザインがなされていること」「(事業規模含め)企業がひとつの主体として顧客に向き合いやすいこと」が挙げられるでしょう。
これはコロナ禍において、「オンラインへ偏重」「消費の再定義(情緒的な面含め)」が起こっている生活者・消費者に対し、リテール企業がオンライン~オフラインを融合することで「どのような価値を伝えられるか」「どのような気の利いたコミュニケーションが取れるか」「どのような提供価値・真価を発揮できるか」「どのような継続的な関係を構築できるか」、そうした、これからのブランディング・マーケティングの方向性そのものと言えそうです。
オムニチャネルを実現するための「システム偏重」から、OMOへの対応のための「ブランディング・マーケティング重視へ」。そうした時代になるのではないでしょうか。
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