ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #32
日本版「Amazon Go」が続々都内にオープン、無人店舗は小売を変えるのか
顔認証入店のSECURE AI STORE LAB
住友新宿ビル地下1階に7月オープンした「SECURE AI STORE LAB」は、ヘッドウォータースのAIソリューションを利用してセキュアが運営する無人店舗です。私が行ったときは、完全に無人でした。
Webサイトでの会員登録(クレジットカードも登録)と、初回の店頭タブレットによる顔登録が必要なため、事前登録に手間がかかります。ただし、登録後は、手ぶらで買い物が可能です。
入口のタブレットに視線を向けることで、顔認証で入店でき、取った商品は自動でカウントされて退店も顔認証で可能です。
品揃えとしては、@cosme nipponの商品が約30SKUほど、ゆとりを持って並べられているため、写真を一見すると分かるように天井のカメラはKINOKUNIYAよりも少ないです。
この店舗のもうひとつの特徴は手に取った商品の商品情報や口コミがモニターに表示されることです。床の足マークに合わせて立つと、立っている人の購買商品の確認できるわけです。
実際に買い物したシーンを動画にしましたので、ご確認ください。
「Amazon Go」に最も近い「Developers.IO CAFÉ」
AWSのプレミアコンサルティングパートナーでもあるクラスメソッドが運営するカフェは、モバイルオーダーができるだけでなく、無人コンビニが併設されています。
この無人コンビニの仕組みは、あの「Amazon Go」とほとんど同じです。なぜなら、AmazonがAWSのAIとして公開しているAmazon Recognitionなどを利用しているからです。
Amazon Recognitionは人物の特定と行動追跡をします。この仕組みは動画を通して人物を追跡でき、顔が動画中で見えない場合でも、または人物がシーンから出入りする場合でも特定が可能です。
先日、リニューアルオープンして、コンビニ部分が増床しました。精度と入退店の仕組みは、「Amazon Go」にかなり近いものになっています。登録はLINEの友だちになることで行います。ここで事前にクレジットカードを登録しておきます。
メニューから自分用のQRコードを出して、それを入口のゲートにかざして入店します。欲しい商品を取ると、自動でカウントされます(もちろん、戻すとカウントから減算されます)。
退店はゲートから出るだけのウォークスルーです。
無人店舗の目的はコストか?体験か?
今回、複数の無人店舗を紹介しました。各社、実用的な精度が出るようになっていました。無人店舗は、単に人を減らすという視点では、まだ導入・運用コストを吸収できませんが、新しい買い物体験を提供するという狙いであれば、十分導入する意味はあると考えます。
その場合は、顧客行動データを店づくりや商品開発に活かす、運営チームの役割が重要になっていくでしょう。
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