PHOTO | 123RF
リテールから考える「マーケティングの本質論」 #03

知らないと損する「ゴールとプロセス設定」の効果的な使い方【コメ兵 藤原義昭・前編】

目標とKPIをどう正しく設定するのか?

 ドラッガーは著書で次のように目標について書いています(ドラッガー「マネジメント」より)。
  • 具体的であること
  • 行動のためのものであること
  • 資源と行動の集中を可能にするもの
  • 一つではなく複数のもの
  • 事業の成否に関わらず全てに必要

 要は具体的に決めて、資源を集中して投下しようということです。

 設定方法は様々ありますが、ひとつの方法として顧客の動きに合わせた設定が有効です。そのためにパーチェスファネルの考え方を使ってみましょう。

 パーチェスファネルは、簡単に言えば、顧客の購買行動のプロセスを分解したものです。その各段階を、定量で計測する数値がKPIとなります。さらにKPIを設定したらパーチェスファネルの先の段階に顧客を多く送ることで、目標達成に近づきます。その各段階にどのように多くの人を進めることができるのか、打ち手を考えることになります。

 例えば、BtoBサービスを例にとって見てみましょう。
 成約にいたるまで各段階を経ていることがわかります。その各段階には、顧客のニーズがあり、そこに最適な施策を実施していくことが必要です。
 

小売(店舗)に当てはめるとどうなるか?

 店員の関与度の高い商材を例にします。

 あなたはアパレルショップ店の店長だとしましょう。想像してください。マーケターは想像力が重要です!

 アパレルショップのパーチェスファネルは、どうでしょうか。顧客、自店舗、両方の立場から想像してみましょう。
 
  1. 店の前を歩いている
  2. お店に入る
  3. 商品を手に取る
  4. 接客を受ける
  5. 試着する
  6. 購入

 この6段階を経ます。
 このように顧客の行動を順序だてて、購入までの段階を分解して可視化することで、何をどうしたら購入まで至るのか、社内で同じ会話ができるようになり、どこの段階に資源を投下したら良いのかが分かるようになります。

 次回は、このアパレルショップを例に、成功するKPIの運用方法について具体的に紹介していきます。
他の連載記事:
リテールから考える「マーケティングの本質論」 の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録