リテールから考える「マーケティングの本質論」 #03
知らないと損する「ゴールとプロセス設定」の効果的な使い方【コメ兵 藤原義昭・前編】
目標とKPIをどう正しく設定するのか?
ドラッガーは著書で次のように目標について書いています(ドラッガー「マネジメント」より)。- 具体的であること
- 行動のためのものであること
- 資源と行動の集中を可能にするもの
- 一つではなく複数のもの
- 事業の成否に関わらず全てに必要
要は具体的に決めて、資源を集中して投下しようということです。
設定方法は様々ありますが、ひとつの方法として顧客の動きに合わせた設定が有効です。そのためにパーチェスファネルの考え方を使ってみましょう。
パーチェスファネルは、簡単に言えば、顧客の購買行動のプロセスを分解したものです。その各段階を、定量で計測する数値がKPIとなります。さらにKPIを設定したらパーチェスファネルの先の段階に顧客を多く送ることで、目標達成に近づきます。その各段階にどのように多くの人を進めることができるのか、打ち手を考えることになります。
例えば、BtoBサービスを例にとって見てみましょう。 成約にいたるまで各段階を経ていることがわかります。その各段階には、顧客のニーズがあり、そこに最適な施策を実施していくことが必要です。
小売(店舗)に当てはめるとどうなるか?
店員の関与度の高い商材を例にします。あなたはアパレルショップ店の店長だとしましょう。想像してください。マーケターは想像力が重要です!
アパレルショップのパーチェスファネルは、どうでしょうか。顧客、自店舗、両方の立場から想像してみましょう。
- 店の前を歩いている
- お店に入る
- 商品を手に取る
- 接客を受ける
- 試着する
- 購入
この6段階を経ます。 このように顧客の行動を順序だてて、購入までの段階を分解して可視化することで、何をどうしたら購入まで至るのか、社内で同じ会話ができるようになり、どこの段階に資源を投下したら良いのかが分かるようになります。
次回は、このアパレルショップを例に、成功するKPIの運用方法について具体的に紹介していきます。
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