加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #12
ネット広告の費用対効果を “半永久的”に上げ続ける方法
2021/04/27
コンバージョン率が約6倍上がった「クリエイティブ最適化」の事例
ここで実際に、某健康食品会社で行われた事例をご紹介しよう。
【Step① 要素に分解】
仮にひとつのクリエイティブ(広告原稿とランディングページ)があったとすると、最初に「キャッチコピー」や「写真」「構成(デザイン)」などの要素に分解する。そして、その要素に対抗させる「キャッチコピーの新規案」「写真の新規案」「構成(デザイン)の新規案」を複数用意しよう。
【Step② キャッチコピーテスト】
まずは「キャッチコピー」要素のみを変えたクリエイティブを制作し、「A/Bテスト」を実施して、一番強い「キャッチコピー」を把握する。
【Step③ 写真テスト】
次に「写真」要素だけを変えたクリエイティブを制作し、「A/Bテスト」を行って、一番強い「写真」を把握する。
【Step④ 構成テスト】
さらに「構成(デザイン)」要素だけを変えたクリエイティブを制作し、「A/Bテスト」をして、一番強い「構成(デザイン)」を把握する。
【Step⑤ 組み合わせ】
これらの一番強い「キャッチコピー」と「写真」と「構成(デザイン)」を単純に組み合わせて次回のクリエイティブを制作すると、“最強”のクリエイティブになる。
もちろん、広告クリエイティブの要素は「写真」や「キャッチコピー」「構成(デザイン)」に限らない。「申込アイコン」や「本文(ライティング)」や「オファー」や「申込フォーム」など、毎回テーマを決めて「A/Bテスト」を繰り返し、ノウハウを蓄積していこう。
もうおわかりだと思うが、「クリエイティブ最適化」とは、強い要素を特定し、一番強い要素を組み合わせる(ガッチャンコする)作業である。一見乱暴に見えるかもしれないが、これによって驚くほど広告の費用対効果が上がる。
実際に、某健康食品会社においてキャッチコピーテストを行った結果、「キャッチコピーA」に比べて「キャッチコピーD」で約2倍コンバージョン率が上がり、写真テストを行った結果、「写真A」に比べて「写真B」で約2倍も上がった。さらに構成(デザイン)テストを行った結果、「構成(デザイン)A」に比べて「構成(デザイン)C」で約1.5倍コンバージョン率が上がった。
一番強かった「キャッチコピーD」と「写真B」と「構成(デザイ)ンC」を組み合わせた(ガッチャンコした)ところ、なんと元のクリエイティブに比べてコンバージョン率が約6倍に上がったのである。そう、「クリエイティブ最適化」とは、統計学なのだ。
芸術思考の広告会社のクリエイターがこの理論を聞いたらものすごく怒るだろうが、キレイゴトなしにネット広告の費用対効果を上げ続けたいなら、この考えに基づいてクリエイティブをつくるべきだ。
統計に基づいた事実ベースの強い“要素”の組み合わせこそが、広告の費用対効果を改善する最も確実でリスクのない方法なのである。
広告の費用対効果を改善し続けたいなら、今すぐ「仮説ベース」のクリエイティブ選びからは卒業しよう。
「ネット広告のクリエイティブは統計学的発想によって確実にコンバージョン率が上がり続ける!」ということを念頭に置いて、「クリエイティブ最適化」を実践してほしい。
※「クリエイティブ最適化」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5456446号