ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #36
あるローソンを繰返し視察する理由:場に合わせる店、場をつくる店①
2021/06/10
無印良品と提携したローソン久が原一丁目店
2020年6月、ローソン3店舗で無印良品の取り扱いが始まりました。この3店舗の場所を調べると、「久が原一丁目店」が入っていましたので、訪店しました。当時の店舗状況については、マスコミ報道の通りです。
参考:わけあって、「無印」 ローソン・良品提携3つの理由
棚数本というレベルではなく、日用品、食品のかなり広い用途機能を網羅した品揃えです。
なお、このタイミングで生鮮食品EC「クックパッドマート」の商品受け取り場所である生鮮宅配ボックス「マートステーション」を活用した生鮮食品販売も開始しています。
参考:クックパッド、ローソンと連携し生鮮食品の販売を拡大~「ローソン」での店舗受け取りと宅配サービスを開始~
さて、その店を2021年5月に再訪しました。そこで、あることに驚いたことから、私の妄想が広がり、今回から数回にかけて「場に合わせる店、場をつくる店」というテーマで書いていくことにしました。
仮説と検証の大切さ
マスコミは新業態を取り上げますが、その後は全く追いかけないので、筆者は特に気になる店舗は後日、再訪店するようにしています。
「仮説と検証」という言葉は使い古されていますが、これは極めて重要です。さまざまな企業で実験業態・店舗が出現することがあります。経営者の思いつきの新業態で、収益が悪いのに閉鎖できないという話をときどき耳にします。見てみないふりをするわけです。それでは、正しい検証が行われません。
ローソンの「久が原一丁目店」のように、実験は「種を蒔く」ということでもあります。まずは、種を蒔くことが重要です。日本では、前年実績だけを追って縮小均衡に陥っている企業が非常に多いです。
また、やめる・減らすことだけを人事評価で重要視しすぎている企業では人も育ちません。蒔いた種のどれが芽を出して、どれが駄目だったのかを検証し、次に活かすことでしか新しい価値はつくれません。
「ローソン久が原一丁目店」は、そういう店舗のひとつだと、筆者は考えています。
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