リテールの未来を創造する #02

WeChatPayは単なる決済手段ではなく、マーケティングツールである【オイシックス・ラ・大地 奥谷孝司 × テンセントマ・ミア】

前回の記事:
WeChatPayアジア責任者が語る、日本でモバイル決済が普及しない理由【オイシックス・ラ・大地 奥谷孝司 × テンセント馬遥】

WeChatPayはマーケティングツール

奥谷 これは特性だと思うのですが、日本人は現金を持つことを好みます。「タンス預金」という独特の言葉があるほど、手元に現金を置きたいというマインドを強く持っています。

 ですが、「タンス預金」ではお金は増えません。現金を積み上げて眺めるのが好きなのかもしれない(笑)。とってもユニークなメンタリティでしょう。



そうなのですね(笑)。

奥谷 日本の小売事業者とモバイル決済導入の話をすると、「手数料がかかる」と言われます。一方で多くの事業者は、レジに貯まった現金を銀行に運ぶために、運送会社や警備会社に費用を支払っています。



この点でお伝えしたいのは、WeChatPayに手数料以上のメリットがあるということです。例えば、購買データをもとに精度の高いターゲティングされたキャンペーンを実行できるのです。つまり、新規顧客の開拓が可能なのです。データの価値を考えれば、手数料は安いと思います。

奥谷 WeChatPayの手数料は、そんなに安いのですか。
 
版権: freerlaw / 123RF 写真素材
クレジットカードの手数料より安いです。ただし重要なのは、先ほど申しあげた通り、WeChatPayが単なる決済手段ではなく、マーケティングツールだということです。

 小売事業者がすでに持っている顧客データをWeChatのオープンIDにリンクできるため、ロイヤリティプログラムをつくり、顧客の育成も可能です。我々のデータベースを活用すれば、売上を高める方法が見つかるはずなのです。そこが小売事業者に受け入れられている理由だと思います。

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