発車オーライ!はとバス広報室ツアー #01

「名刺にも掲載」はとバス広報室に配属されると、室長からミドルネームが付けられる理由

不思議なルールを持つ広報室

 はとバス広報室に所属した広報担当者は、ミドルネームを付けられるというルールがあります。

  社内異動、新卒など、新たに広報室に配属になると、苗字と名前の間にミドルネームが加わるのです。



 これまで「モンロー」、「クリステル」、「アラモアナ」、「クラリス」、「アンジェラ」が誕生しました。中でも、傑作はやはり「モンロー」です。妖艶で覚えやすく、この名前を超えるものは、ないですね(笑)。

 ただし、広報担当者の全員に付けるのではなく、私が選んだひとりだけに与えられる仕組みになります。何しろ、全員に付けると“チャラい感”が出てしまうというのが理由です。広報担当者が複数人で名刺交換した際を想定して、ひとりだけミドルネームを保有しているのがいいのです。ホンモノ感を演出したいのです。

 ミドルネームは、必ず名刺にも載せます。ちなみに私のミドルネームは、アラニです。この名前の由来は、「アロハ!!!ハワイ語で、オレンジという意味」です。



 広報担当者にミドルネームを付けるのは私です。ただ、実はひと苦労なんです。

 容姿や性格、感覚的にアウトプットされたネームではないのです。マーケティング感覚や広告のコピーライターの視点が大事です。いわば「コミュニケーション・ネーム」です。覚えられやすく、右脳を刺激し、「あれっ、ハーフ?」と思わせる要素も必要です。女性なら、妖艶さを取り入れています。

 会社の中で、私は「ミドルネームメーカー」として認知されているようで、他部署から軽々しく「ミドルネームが欲しいです」と要求してくる不届き者もいますが、決して与えないことにしています。
 

広報は「いじられて、なんぼ」

 なぜ、私は部員にミドルネームを付けるのか。それは、「いじられて、なんぼ」だからです。これは、私が最も大事にしている広報観です。

 名刺交換の際、相手からは「ハーフですか?」とリアクションされることがほとんど。

 「つかみ、OK」です。こんな些細なことでも効果は抜群です。

 ネガティブないじられ方は広報としては、いただけませんが、「いじられるイコール愛されている」ということ。記者の右脳を刺激することは大事なことです。

 経済系やオピニオン誌などでも「いい会社には必ず、優秀な広報マンがいる」と、はとバスの広報室が紹介されたこともありました。また、NHK「会社の星」という番組に私がスタジオ出演した際、ミドルネーム制の導入について高く評価され、名古屋のスタジオにミドルネームを持った女性スタッフがそれだけのために呼ばれたこともありました。

 しかし、メディアの校閲の担当者から名前について間違えがないか確認されることも、しばしばです。そんな時は、申し訳ないながらも、笑いが止まりません(笑)。
 

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