関西発・地方創生とマーケティング #30後編

「BOTANIST」などヒット商品を連発するI-ne、ブレない理念と強みとは?

      

インハウスとアウトソースのバランス

      
 そうやって、創業からしばらくは自社でマーケティングをしてきました。そうした個々の努力が、いまでも企業文化として残っていると言います。
 
 アイデア出しやクリエイティブ作成、プロモーションなどは内製化する。ただ、それでは自社の考え方や施策に偏りが出てしまうので、あえて外注を選択することもあるそうで、それによって、属人的にならないようにバランスをとっていると。
 
 アウトソースする余裕がないからインハウスを選択したのではなく、インハウス化する力があるからこそ、アウトソースしても自分たちの理念から外れることなく経営できる、そこが強みなのでしょう。
          

マーケティングとブランディングの考え方

         
 I-neではP&Gといった外資系企業のようなブランドマネージャー制にすることを目標に人員を採用してきたそうです。 
 
 マーケティング部門は、企画開発や調査などを担当しています。マーケティングとは利益を出すこと。結果が出ないものに時間と人とお金をかけるのは間違いで、どんな状況でも、稼ぐこと、企業を成長させることを考えるのがマーケターだと考えられています。確かに、社外取締役に就かれているファミリーマートCMOの足立光さんもおっしゃっていた「マーケティングとは商売」に通じるものがありますね。
 
 一方でブランディング部門は、ブランドマネージャーが世界観の構築、デザイン、SNS、動画などを担当しています。ブランディングとは、ブランドの存在価値を守ること。例えば、「BOTANIST」については、植物に対して深く敬意をはらい、植物と人が、どちらも豊かに共存できるように、その保全等を通して持続可能な地球環境をサポートすることにも注力しています。
                       
 このマーケティングとブランディングのバランスが保たれていることも強みだと言います。

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