関西発・地方創生とマーケティング #31後編

NIPPONIAに泊まる目的をつくる NOTE代表藤原岳史

 

コロナ禍で日本人が気づいたこと

 最後に、コロナで変わったと感じることについて伺いました。

 「近場、身の回りのコミュニティ、暮らしへの関心が高まった。通勤が前提だった暮らしに在宅勤務という文化が入り込んできている。家族とも今まできちんと話していたつもりが、実はできていなかったということに気づくきっかけになった。
そもそも家という空間は話がしやすいものなのだけど、今の日本の家のリビングは閉鎖的なつくりで、納戸のような密閉空間になっている。本来リビング、つまり居間というものはどこにでも繋がっているもの。昔の日本家屋では隣の部屋と仕切られていると言っても襖や障子などで、ある意味、境界が明確ではなかった。
こんな時だからこそ、いま一度そんな空間に身を置いて、家族との関係を見直すのも良いのではないか」 
居間
 私も家族と篠山のNIPPONIAに泊まりました。子どもが大きくなって日頃からずっと同じ空間にいるということが無くなってきたのですが、やはり一緒にいるというのは良いものです。

 何かを一緒にするというわけでもなく、それぞれが本を読んだり、スマホをいじったり、パソコンを持ち出して仕事をしたり。すぐそこの目に入る、存在が感じられるところに一緒にいるという、自分にとって少し前までは日常であった生活が今となってはある意味、非日常になってしまっているということに気づきます。

 そして、家族とのいい思い出づくりになる。これも、人が旅に出る、そしてホテルに泊まる理由のひとつのような気がしました。
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