加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #19

加藤公一レオが斬る「最近のD2Cあるある」 売上より資金調達をアピール?

       

D2C企業あるある②『SNSで獲得できると信じている』

    

      
 最近のD2C企業は広告を嫌がり、SNSの力を過信していることが多い。お金のかかる広告を出すよりも、無料でできるSNS投稿で集客できたらいいと思うのは、ある意味当然である。

 ところが、現実はそんなに甘くない。「ナイキ」や「ソニー」レベルの一部の超大手企業であればSNSでもそこそこ販促になるかもしれないが、そこらへんの単品通販(D2C)会社がSNSをしたところで大した数のフォロワーは獲得できないことが多い。そんな中でちまちまと宣伝臭い投稿をしても、当然新規獲得なんてできない。

 ズバリ言ってしまうと、「SNSでコミュニケーションを取って獲得」なんていうのは理想論の“キレイゴト”にすぎない。知名度やブランド力のないD2C企業が新規獲得をするためには、やはり「広告の力」を効果的に使うしかないのである!

 スタートアップのD2C会社はまず、「無料モニター」や「100円モニター」をオファーするランディングページをつくって、ネット広告からランディングページに誘導し、ひとりでも多くの“見込客”を集めることに特化すべきだ。SNSがじわじわと効果を発揮するようになるのはむしろ、一定数のお客さまが集まって、ブランドや商品の知名度が上がってからである!
      

D2C企業あるある③「ダイレクトマーケよりもブランディング」

      

    
 ブランディングを完全否定するわけではないが、残念ながらブランディングをやっても即お金(=売上)にはならない。

 断言しよう。スタートアップのD2C企業は、まずは徹底的に売上に直結するダイレクトマーケティングに力を入れるべきだ。そして、売上が50億円を超えたあたりから、ブランディングにも手を出せばいいのである。

 ブランディングは言ってみれば、“金持ちの道楽”。金持ちは銀座のクラブに行くが、あくまでも道楽であって、生きていくために必要というわけではない。銀座のクラブに行く余裕のない庶民が「ココイチ」や「吉野家」に行くのと同じで、ブランディングをやる余裕のないD2C企業は、ダイレクトマーケティングに特化して売上と利益を積み上げていくべきだ!

 20年ほどダイレクトマーケティングをしていて思うのは、D2Cビジネスにおける最高のブランディングとは「商品を試してもらうこと」だ。どんなテレビCMよりも、実際に商品を使ってみた“体験”がお客さまの心を動かすだろう。

 だからこそ、まずはネット広告から「無料モニター」や「100円モニター」に誘導し、商品申込みにつながるダイレクトマーケティングを徹底的にやることが重要なのである!

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