加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #19

加藤公一レオが斬る「最近のD2Cあるある」 売上より資金調達をアピール?

      

D2C企業あるある⑥「先行投資という名の赤字企業が多い」

       

         
 最初に紹介した「売上よりも資金調達額をアピールする」とも関連するが、実際のところ資金調達をしているD2C企業は赤字企業が多い。大した売上もない段階から、外部資金調達をして豪華なオフィスをつくるなど、派手な投資をするから利益が出ないのである。

 一方、「やずや」をはじめ昔ながらの単品通販(D2C)会社は赤字ではない。赤字どころかむしろ無借金経営をきちんとしてきたのが九州の単品通販(D2C)会社である。派手に見られがちだが、我々、売れるネット広告社も創業以来100%無借金経営で、意外と堅実なお金の使い方をしてきた。

  “自分のお金”で投資をするのと、外部から調達した“他人のお金”で投資をするのとでは、間違いなくマインドが変わってくると思う。ビジネスでコツコツと貯めた“自分のお金”だったら、1円もムダにしないように徹底的に考えるはずだ。

 ところが、外部から資金調達するD2C企業は、“他人のお金”だからといって“自分のお金”ではやらない、アホみたいな投資をしてしまうから赤字になるのである!!
       

D2C企業あるある⑦「単品通販のことをD2Cと呼ぶ。定期のことをサブスクと呼ぶ。定義したがる」。

         

        
 はっきり言って私はバズワードが嫌いである。ネット業界では毎年新しいバズワードが登場し、それを解説する企業や評論家や著者やコンサルがどんどん出てくる。よくもまあ毎年同じことを繰り返すと思う…。

 通販(D2C)業界ではここ数年、「D2C」や「サブスク」というワードがトレンドになっていて、新規参入する会社も増えている。だが、20年以上ダイレクトマーケティングをやっている私からすれば「D2C」や「サブスク」なんて新しいものでもなんでもない。

 「D2C」なんてオフラインの時代からある「単品通販」だし、「サブスク」なんて昔ながらの単品通販会社もやっていた「定期コース」である! こうしたバズワードを連発して“新しいことをやっている風”に見せているような会社は、結局バズワードに踊らされているだけなのである。私および売れるネット広告社も「D2C」や「サブスク」という言葉を使うが、もちろんわかっていながらあえてやっている(笑)。
        

本質的なビジネスをやれ

        
 半分ジョークのような内容もあったが、この「最近のD2C企業あるある」を通して私が言いたいのは「本質的なビジネスをやれ」ということである。

 資金調達額よりも売上や利益を追求するのがビジネスの“本質”だし、“他人のお金”ではなく“自分のお金”でリターンが見込める投資をするのが経営の“本質”だ.


 また、単品通販(D2C)はブランディング以前にダイレクトマーケティングを攻略しなければビジネスとして成り立たないし、バズワードに踊らされず、PDCAを繰り返しながら流行に左右されない『売れる仕組み』を構築することが何よりも大事になってくる。

 もし自分の会社が「最近のD2C企業あるある」にあてはまっていたら、1度立ち止まって“本質”に立ち返ってほしい。
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