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リテールの未来を創造する #02

ドン・キホーテ、グローバルマーケティング責任者が語る「中国市場で小売が成功するポイント」

 ドン・キホーテが今年2月に発表した2017年7月~12月期連結決算では、インバウンドの購入客数が前年同期比50%増の220万人超え、売上高は同55%増の251億円という好調ぶりを見せている。同社のグローバルデジタルマーケティング責任者の陳超氏に、中国市場に向けて日本の小売企業が成功するためのポイントを聞いた。

 

オン・オフラインという概念が無い

 中国市場で小売業が成功するために重要なことは何なのか。陳氏は、「いくつかキーワードが重要で、それは『OMO』『ニューリテール』『スマートリテール』『体験』になります」と言う。

 「OMO(Online merge Offline)」は「O2O(Online to Offline)」が進化した考え方だ。「O2O」は、オンラインからオフラインへ、あるいはオフラインからオンラインへの誘導促進を図ることだが、スマホが普及した今、リアルな生活の中にいつでもスマホというオンラインが存在しており、オンラインとオフラインの境界はあいまいになった。

 陳氏は、「中国ではもはや"オンライン・オフライン"という概念すら無くなっている」と言う。そこに当てはまる概念が「OMO」。つまり、オンラインとオフラインを融合させて相乗効果をはかるビジネスモデルだ。

 「ニューリテール」は、2016年アリババが方針として発表した、同社のビッグデータとリアル店舗を融合させたOMO戦略だ。一方、「スマートリテール」は、テンセントが打ち出した考え方だ。
 
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アリババが運営するECサイト「淘宝網 (Taobao.com)」。
 「生活者は常に情報を求めていて、それを提供するのがスマホアプリです。リアルで買い物をしてもスマホで決済しますし、出前の注文もします。すべてスマホに接点があるのですが、アリババ系列はOMOを自社のプラットホーム上で実現しようとしています。一方、テンセントは外部企業と連携をとり、生態(エコシステム)づくり形で進めようとしています。それぞれのアプリに個性や強みがあるので、それをうまく活かしていくのが、一番いいのではないかと思っています」(陳氏)。
 
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テンセントが運営するコミュニケーションサービス「WeChat」。

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