リテールの未来を創造する #02
ドン・キホーテ、グローバルマーケティング責任者が語る「中国市場で小売が成功するポイント」
体験とライブコミュニティが重要
このような変革の中で、中国の消費者インサイトはどのように変化しているのだろうか。陳氏は、「中国ではすみずみまで教育が行き渡り、国民全体の知識レベルが上がっています。その結果、消費者は商品の"品質"に非常に敏感になり、質の高いものを求める傾向が強くなりました」と話す。そこで重要になるのが、体験だという。
「中国の消費者はスマホで商品の情報や評判を見ただけでは、購入のステップにはなかなか進みません。自ら体験して試して納得してから購入したいのです。たとえばマンガはデジタルで数ページ試し読みをして、面白ければ購入する。ゲームも、楽しさを確認しないと購入してもらえないので、実際に遊んでもらうようなキャンペーンが主流です」
中国事情に精通する陳氏が、これから重要になるのは、"ライブ"と“コミュニティ"だという。「新聞、雑誌、テレビと時代は流れ、動画コンテンツやAbemaTVのようなインターネットテレビが誕生しました。次にくるのは"ライブ"だと思っています。それもインタラクティブで視聴者の見たいものが出てくるライブです」。
そのコミュニティとして注目しているのは、Toutaio傘下の動画アプリ「TIK TOK(ティックトック)」。昨年から日本でも若者を中心に人気が出ているショートビデオコミュニティで、オリジナルの楽曲に合わせて口パクで踊ったり動いたりする、わずか15秒の動画サイトだ。
ティックトックには、オリジナル動画を上げるというより、いいと思ったユーザーのコンテンツの真似する文化があり、そこでコミュニティができる。簡単に動画を編集できる機能つきで、参加のハードルも低い。
「動画はWechatやウエイボーでシェアできます。これからさらにユーザーが増えていくため、情報拡散に大きな役割を果たすようになるのではないと予想しています」(陳氏)
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