ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #43

商業施設の案内所もDX。AI導入でスタッフ負荷を40%に軽減、対応数も増加

 

来店客の利便性向上効果


 有人インフォメーションにAIインフォメーションを加える事による来店客の利便性向上としては、以下が考えられます。
 
  • 有人インフォメーションよりもAIインフォメーションは稼働時間を長くしやすいため、無人でも基本的な質問対応が可能になる。また、Webからのアクセスも用意すると来店客はAIインフォメーションの場に行かなくても使える。
  • 来店客を待たせる状況を改善でき、有人カウンターは余裕を持った対応ができる。
  • 来店客の質問と回答結果へのフィードバックがデータ化されるため、AIの案内精度は使い込むほど「場」に合わせて最適化される。
 

人とAIの組み合わせで顧客体験は大幅に向上する


 相鉄ジョイナスでは、リアルタイム飲食店空き情報配信サービスの「VACAN」を導入しており、「AIさくらさん」と連動しています。
 

 飲食店検索をした時に店舗名・場所などの表示に留まらず、現在混んでいるかどうかも把握できるのです。これは店舗に行く前の検討シーンで欲しい情報が手に入ることで、顧客体験は向上します。

 筆者がインフォメーションセンターの様子を見ていたところ、小学生数人がいる時がありました。「道案内でもしてもらっているのかな?」という印象でしたが、よく見ると絆創膏を貼っていました。

 おそらく移動中にちょっとした怪我をして、インフォメーションセンターのお姉さんに相談したのでしょう。こういった要望に応えることができるのはA Iにはできない有人の良さであり、ご担当者の素晴らしさだと思います。

 今回の事例は、人による素晴らしい対応をAIがサポートしているという学ぶべき点が多い取り組みだと考えます。
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