ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #44

なぜ眼鏡店のJINSは、異業態の「パン屋」を店舗に併設したのか

筆者は、様々な仕事を並行して行っています。それらに関連して、建築物として特徴のある商業施設・小売店の視察も可能な範囲で行っています。先日、知人である建築家の西倉美祝氏(https://www.macap.net/)とZOOM会議をしていたところ、群馬県前橋市の「JINS PARK」が面白いという話になりました。さっそく施設を視察し、日本オムニチャネル協会の分科会で議論しました。今回は、そこで深めた見解を紹介します。
 

JINS PARKとは何か?

 
※筆者撮影

 JINS PARKは公式サイトで、次のように記載されています。
 
 JINSの生まれた群馬県前橋で、公園のように開かれた「みんなの場所」になりたい。

 そんな想いを象徴するような、エントランスから見上げる三角の大階段。
空へひろがるように屋上テラスへと続きます。この段々に腰かけて、ふと時を忘れ話し込んだり。屋上や庭でのびのびすごしたり。
おいしいパンや、よく見える眼鏡や、新しいことに出会ったり。

 ちいさい子も、学生さんも。ご家族も、ご夫婦も。なかまで。ひとりで。
誰でも居場所をみつけて思い思いに時を過ごせる、まちの広場です。

 https://store-jp.jins.com/b/jins/info/20005/

 とのことで、コミュニティ空間を意識した店舗で、入店すると目の前に屋上テラスに通じる三角形の大階段があります。この階段の右側にJ I NSの眼鏡店があり、左側にはエブリパンという自社運営の焼き立てパン屋が併設されています。階段の下がパンを焼く工房になっているわけです。

 このパン屋がとても人気で、筆者が訪問した日曜日の昼頃には数人が並んでいる状況でした。筆者も国産小麦の香ばしい香りに誘われて食べてみたところ、どれもとてもおいしいパンでした。なぜ眼鏡専門店であるJINSが、パン屋を併設するのでしょうか。

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