ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #46

超高齢社会の日本、イオンの試みからドラッグストアがショッピングセンターの中核になる可能性が見えた

 

閉店間際の「デカトロン幕張店」を視察


デカトロン幕張店

 フランス発のグローバルスポーツブランド「デカトロン(Decathlon)」は2020年に日本進出し、実店舗を2店舗出しましたが、いずれも2022年6~7月で撤退することになりました。今回は、その撤退直前の「デカトロン幕張店」も見に行きました。

 デカトロンが国単位で実店舗を撤退するのは、これが初めてではありません。米国からも2022年3月に撤退しています。一方で米国の場合、WalmartやTarget、Amazon.comなどへの卸や出品もしている点が、ECだけで展開を続ける日本との違いです。

 デカトロンは欧州以外の国でも展開しており、中国では290以上の店舗でBOPISも含めたサービスを展開しています。筆者も2019年に上海の店舗を視察しました。
   
https://www.decathlon.com.cn/zh/about/click-amp-collect/_/R-a-click-collect-info。

上海のデカトロン店舗(筆者撮影)

 SKUカウントなどしていないので、あくまで個人の印象に過ぎませんが、上海の方が、日本の店舗よりも品揃えが多かったと記憶しています。レジもRFIDで自動読み取りできるセルフタイプでした。ちょうど、ユニクロの一部店舗で実施しているものと似た形態です。

 日本でもデカトロンのEC売上は順調ということです。つまり、撤退の理由は、商品の問題というよりも、出店場所とマーチャンダイジングにあると感じました。

 なお、「デカトロン幕張店」の入っているイオン海浜幕張店は、2000年にフランスのスーパーマーケットであるカルフールが出店していた場所です。デカトロンがこの場所に出店したのは、カルフールと何か関連しているのかもしれませんが、8店舗展開したが業績不振で撤退したカルフールと違い、この立地ではなかったら異なる結果になった可能性があります。
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