加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #21

成功するD2C(ネット通販)の3つの共通点。失敗する事業者との明確な違いとは?

 

成功するD2Cの共通点③:資金調達よりも“黒字化”するスキーム




 私が最近懸念しているのは、D2Cというワードが流行り出して、「資金調達しました!」というアピールをしているD2C(ネット通販)企業がかなり増えたことである。よくFacebookなどで「資金調達しました!」「おめでとう!」みたいなコメントを見るが、資金調達を喜んでいる場合ではない。

「資金調達」と言うとなんとなくカッコよく聞こえるが、ただの“借金”である。しかも、資金調達をしたD2C(ネット通販)企業の多くは、調達した資金で採算の合わない過剰な広告を打って“赤字”になってしまっている…。

 一方、派手なイメージがあるかもしれないが、青汁王子(三崎優太さん)は、起業当初は一切借金をせずに、しっかりと広告を黒字化するスキームをつくって事業を軌道に乗せた。さらにさかのぼれば、「やずや」や「はぴねすくらぶ」といったオフライン時代からある企業もずっと黒字の無借金経営である。

 どうしても、「自分で稼いで貯めたお金」と「他人から借りたお金」では経営者の判断に違いが生まれてしまうことが多い。だから、資金調達をしたD2C(ネット通販)企業は、「自分のお金だったらそんな投資する?」と思ってしまうアホな投資をしている企業が多いのだ。

 ただ「先に市場を取っておきたい」という気持ちがあるのもわかる。資金調達が功を奏したのがバルクオムだ。同社は資金調達によって一気に男性向けコスメ市場のシェアを拡大した。あそこまで徹底的に突き抜けるなら資金調達するのもいいが、中途半端な資金調達なら、きちんと初年度から利益を出して黒字経営に徹したほうがはるかに良いのである。

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