加藤公一レオが教える「ダイレクトマーケティングの最強基礎」 #22

1200回以上のA/BテストからわかったD2C(ネット通販)の「答え」を大公開

 

Q8:コンバージョン率が高い申込フォームはどっち?


 次の2つの申込フォームのうち、コンバージョン率が高いのはどちらだろうか?



【A】通常の申込フォーム
【B】チャット申込フォーム

 正解は…意外かもしれないが、5勝5敗の引き分けである!

 最近はチャットボットを使った申込フォームを使っているD2C(ネット通販)会社が増えている。ところが、実際に「通常の申込フォーム」と「チャット申込フォーム」でA/Bテストをしたところ、成績は5勝5敗であった!

 一問一答形式のチャットフォームは、ネットリテラシーが高くフォームの入力に慣れた人にとってはかえって煩わしく感じられるため、商材との相性や顧客層によっては、コンバージョン率が下がってしまうこともあるのだ。

「チャット申込フォームはコンバージョン率が高い!」と妄信するのではなく、自社の商材や顧客層を踏まえて、通常の申込フォームとチャット申込フォーム、どちらが適しているか慎重に見極めるべきである。
 

Q9:アップセル率が高い定期引上方法はどっち?


 次のうち、どちらが本商品の定期コース(サブスク)へのアップセル率が高いだろうか?



【A】ランディングページでモニターと一緒に定期商品を訴求する
【B】モニター申込確認画面で定期商品を訴求する

 正解は【B】のモニター申込確認画面で定期商品を訴求するである!

 多くのD2C(ネット通販)会社は、ランディングページでのアップセルを狙って、ランディングページでモニター商品と一緒に定期商品を訴求している。

 ところが、ランディングページでアップセルを狙っても、99%のユーザーがハードルの低いモニター商品しか申込まない。それどころか、ランディングページで余計な選択肢を与えてもユーザーが戸惑ってしまい、コンバージョン率が下がるだけだ。



 そこで、ランディングページではなく、面倒な申込フォームを入力し終わった直後の「申込確認画面」を活用しよう。単なる「申込内容の確認」で終わらせるのではなく、モニター申込確認画面に『定期商品にアップセルさせるコンテンツを追加(確認画面でアップセル・商標登録済み)』するのである。

 A/Bテストの結果、ランディングページでいきなりアップセルを狙うよりも、確認画面でアップセルするほうがアップセル率が10.04倍も高くなることがわかっている。「確認画面でアップセル」は世の中のあらゆるD2C(ネット通販)企業が実践するべき、最強の売れるノウハウなのだ
 

Q10:定期へのアップセル率が高い申込フォームはどっち?


 次のうち、本商品の定期コース(サブスク)へのアップセル率が高い申込フォームはどちらだろうか?



【A】モニターの申込フォームの直前に本気チェックボックスがある
【B】モニターの申込フォームの直前に本気チェックボックスがない

 正解は【A】のモニターの申込フォームの直前に本気チェックボックスがある。

「本気チェックボックス」というのは、モニター商品申込希望者を対象としたチェックボックスだ。「本気でシミをケアして“潤う美白”肌を手に入れたい方」「もし初回半額であれば、美白美容液『ウレホワ』の本商品(税込2,500円)を定期便で申込んでもいいという方」といった本気度が高い人向けの文言を記載したチェックボックスを設けることにより、ライトなユーザーの申込を抑制する効果がある。その結果、優良な「見込客」が集まるため、アップセル率が最大2.37倍上がるのである。

 その結果、「本気チェックボックス」を成果報酬型の広告に入れることで、余分な広告費を削減することができる!ただし、コンバージョン率が下がってしまうため、成果報酬型以外の広告には使用しないようにしてほしい。
 

Q11:定期へのアップセル率が高い申込確認画面はどっち?


 次のうち、本商品の定期コース(サブスク)へのアップセル率が高い申込確認画面はどちらだろうか?



【A】申込確認画面でアンケートに回答させない
【B】申込確認画面でアンケートに回答させる

 正解は【B】の申込確認画面でアンケートに回答させるである。

 具体的には、申込みを完了する一歩手前のモニター申込確認画面に、商品への意識を高めるアンケートを入れる。例えばペットフードのモニター商品のランディングページであれば「愛犬の毛づやが気になる(はい/いいえ)」「無添加のフードを食べさせたい(はい/いいえ)」といった質問を追加しよう。

 A/Bテストの結果、このようにして課題を「自分ごと化」することによって、ユーザーの本気度が上がり、アップセル率が最大1.84倍上がることがわかっている。

 D2C(ネット通販)の広告の費用対効果(ROAS)を改善し続ける最も確実な方法が、A/Bテストを繰り返してクリエイティブを最適化していくことである。

 今回紹介したノウハウはいずれも複数企業でA/Bテストを行って成果が確認されたものばかりだ。あなたも今日からすぐに実践して、広告の費用対効果(ROAS)を改善してほしい。

 後編では、アップセル率やLTVを改善するノウハウに加え、D2C(ネット通販)業界の最新のトレンドを反映したA/Bテスト結果も暴露する。お楽しみに!

※「最強の売れるノウハウ」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5927186号
※「確認画面でアップセル」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5569381号
※「申込フォーム一体型」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6041909号
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