関西発・地方創生とマーケティング #35

無料でプログラミングが学べる。リスキリングで注目のフランス発エンジニア養成機関「42 Tokyo」とは?

 

保護者の不安を解消するために


 保護者だけではなく、学生にもヒアリングを行なっているそうで、そこから気づいたのは、学生本人に「42 Tokyoで学びたい」という意思があっても、親を説得するハードルが高いということ。聞いたことがない、よく分からない学校では親を説得できないため、安心できる情報をきちんと提供すべきだということです。

 そのような声もあり、私に求められたのは、親を説得するためのアドバイスでした。要は、学生が親から「なぜそんな情報の少ない(怪しいかもしれない)ところに行くのか」と言われた場合の誤解を解きたいとのことです。

 私が気になったのは、次の3点だと伝えました。
 
  • 運営者は誰なのか
  • 卒業後の実績はどうなのか
  • どのような学生がいるのか

 運営者については、スポンサーも含めて安心できることが公式サイトから確認できました。卒業後の実績については、起業しているのか、就職しているのか。そして具体的にどこで、何を(エンジニアだと思いますが)しているのかの情報がありませんでした。ここは個人情報の問題もあり、公表はできないと思いますが、SNSなどで情報が得られるといいなと思います。やはり今の時代、関係者の生の声が少ないのは不安なものです。

 実際に42 Tokyoで学んでいるのは、起業目的やベンチャー志望の学生も多いようです。ちなみに来春の就職が決まっている学生の数人は、メルカリやサイボウズ、サイバーエージェントなど、スポンサー企業の内定者でした。

 今後は順次、卒業後の進路が公表され、その情報が受験者や在校生、そしてその周りの人にとっても判断や安心の材料となり、より多くの受験者が集まって、よい循環が生まれるのではないかと期待しています。

 どんな学生がいるのかについては、お互いよい影響を与え合えることができる人材が揃っているといいと思います。先述のスポンサー企業からは、42 Tokyoの学生は優秀だと言われるそうですが、そもそもどういう人材を優秀だと言うのでしょうか。単にプログラミングのスキルが高いとか、人としての資質、例えばコミュニケーション能力が高いとか。

 エンジニアは、黙々とひとりでPCに向かってキーボードを叩いていると誤解されがちですが、周囲の人とコミュニケーションをとりチームとして取り組むことができる人が優秀な人材だそうです。「エンジニア=孤独」ではないのですね。これは、ひとつの安心材料だと思います。
  
コミュニケーション取りながら学習している様子

 最近、エンジニアが不足していると言われますが、それはしっかりとコミュニケーションをとることができるエンジニアが不足しているということで、コミュニケーションが苦手な人が組織に入ってくると、かえって生産性が下がってしまい、企業としては戦力ダウンになるそうです。

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