関西発・地方創生とマーケティング #36後編

低アルコールのクラフトカクテル「koyoi」、マーケティングとロマンの掛け合わせで伸ばす【SEAM代表 石根友理恵氏】

 

起業しようと考えている人への熱いメッセージ


 セブンルールでは、石根さんの給与は20万円の役員手当のみで、友人から服や化粧品を譲り受けるなど、切り詰めた生活で、決してキラキラしているわけではないけど、一方で事業としては上手くいっているという、非常にポジティブな印象を受けました。

 今は、誰でも起業できる時代になったからこそ、みんながみんな起業に憧れ、思い切って一歩を踏み出せる。ただ、みんなが上手くいっているわけではない中、起業しようか悩んでいる人に向けて石根さんからのメッセージも頂きました。「私も日々悩んでいます。正直、なんで自分はこんなことをやっているのか、サラリーマンに戻ればもっと楽になるのにと思うときもあります。しかし、結局は『ロマン』を持ち続けるということに集約される、そこが一番大切だと思います。

 そして、実際に起業するかどうかは、タイミングとそれを成し遂げる覚悟が重なったときです。そういうときは、必ず行動が先に出るものなので、そのときを逃さないことが大事ですね。無理やり起業する必要はないし、そうすべきではない」と語ります。時期が来たら自然と行動しているものだということですね。
 

石根さんの取材を通して感じたこと


 取材の最後に「言い残したことは、ないですか?」と問いかけると、普通は何かいいことを話すケースが多いのですが、石根さんは「新商品の宣伝をしてもいいですか?」と明るく答えました(笑)。

 今後の「koyoi」では、シーンにふさわしい商品をさらに増やし、今のラインとは別にさまざまな商品を展開するので、乞うご期待とのことです。正直な人だなと思いました。

 そして、取材後にリリースされたのが、以下の商品です。
SEAMは今年アサヒビールと電通デジタルの合弁会社であるスマドリ株式会社と、コラボ商品開発をはじめる。

 さて、取材を通して感じたことは、相手に上手く合わせる地頭のよさと、とにかくよく笑い、明るいこと。そして間髪入れずに言葉を発し、話しながら考え直して、その場で訂正していく、正直者な石根さん。そういうところが魅力で、みんなが応援したくなるのだろう、そういう部分こそ起業家に必要なのだろうと、思いました。
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