関西発・地方創生とマーケティング #39

ターゲットは若者なのに値段は1泊15万円。SNSで独自の価値を伝える「Nazuna京都」の正体

 

“綺麗な口コミを書くインフルエンサー”を活用できているか


 宿泊業界のマーケティング手法について渡邊氏は、「いまだにSNSを上手に活用できていない企業が多い」と言います。それに続けて、「日本の投資家でさえ、日本独自の旅館をつくるのではなく、外資系ホテルを輸入してきます。実際、日本の旅館が外資に負けている点は非常に多く、システムも会員制度も遅れをとっています。そうした状況に未だに気付けていない人が多いです。まずはその意識を変えないと、結局日本のどこの観光地へ行っても外資のホテルばかり…になってしまうのは、日本人として悔しい」と話します。
NAZUNA 代表取締役
渡邊 龍一 氏


 大学在学中に飲食店の店長に就任、24歳でエリアマネージャーに昇格。その後コロンビア・ワークス株式会社に入社、不動産デベロッパー営業、人事総務部、運営事業部での経験を経てNazunaに参画、マーケティング部門でコロナ禍にさまざまな施策を実行。2023年に取締役に就任。現在に至る。

 また、SNSをうまく活用している事例について「外資の力に頼らずともSNSを活用すれば市場でも勝てるはずですが、ホテルシステムを含むマーケティング全体が古いことも課題です。そういった意味で参考に値するホテルはない一方で、ECビジネス、特にアパレル系は、インフルエンサーの使い方も非常に優れていると思います」と、渡邊氏は言います。

 インフルエンサーによって生じる効果は刹那的ではありますが、特にいまのお客さまはGoogleやトリップアドバイザーなどの口コミに加えてSNSもよく見るため、いわゆる“綺麗な口コミを書くインフルエンサー”の存在は大事なのだそうです。


インフルエンサーがNazuna 京都に宿泊したことを投稿している様子

 インフルエンサーの選考基準については、投稿しているコンテンツの内容とエンゲージメントを確認するそうです。フォロワーを買っているインフルエンサーも多いので、投稿に対してどれくらいの「いいね」がされているのかも指標になりますし、誤魔化せないリール動画の再生回数なども見て判断しています。

 いろいろな人が来れば来るほど、さまざまな写真が投稿されるので、それを見て最終的に予約する人が多いのも事実です。実際、「Nazuna 京都」を利用する60%がSNS、特にInstagramの投稿を見て予約されているそうです。

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