リテールメディアコンソーシアム #02

セブン-イレブン、サントリー、ネスレ日本、ライオン、電通コンサルティングが考えるリテールメディアの現在地【リテールメディアコンソーシアム座談会・前編】

 

リテールが「メディア」をもつ意義


八木 もう少し手前の質問として、皆さんは「リテールメディア」をどのように捉えていますか。

島川 私はリテールメディアを通して、メーカーとリテールさんが共によい方向にいくきっかけになると信じています。私はネスレ日本で営業とブランドマーケティングの両方に携わってからデジタル部門に入りました。それぞれの立場で3つの角度から見たときに、営業、ブランドマーケティング、デジタルのそれぞれが自分たちの領域でしか視野を持てないことを感じています。
 
ネスレ日本 常務執行役員 デジタル&Eコマース本部長 兼 新規ビジネス開発部長
島川 基氏 氏

 ネスレ日本に入社後、セールスおよび企画部門の経験を経て、飲料事業本部にてブランドマーケティングを担当。複数のカテゴリーを経験し、2019年までレギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長として、ネスカフェに加えネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ等のコーヒーメーカーを含めた基幹ビジネスを担当するとともに、チャネルを横断しネスカフェブランド全体のマーケティング施策を立案実行。2020年よりネスレスイス本社にてZoneAOAアシスタントリージョナルマネージャーとして各マーケットの経営企画支援を行い、2022年1月より日本に戻り現職。D2C領域に加えネスレ日本のEコマース全般を統括、また顧客視点のデジタルCXの実現に向け、部門を横断したイニシアチブをリードしている。

実際に私がブランドマーケティングからデジタルに移ったときに、その考え方のギャップにものすごく驚きました。デジタル側はコンバージョン等の可視化できて効果が即時検証できるKPIについては知っていますが、その手前の顧客理解やリテーラーさんと一緒に働くとはどういうことかという知見があまりありません。

そのような断絶した世界ですが、八木さんがおっしゃったように、メーカーもリテーラーさんも一緒に共通善に向かって動いているのであれば、お客さまが商品と出会うことで生活が良くなったというような出会いを提供したいですよね。

ただ、それぞれの立場でサイロに陥ることで、全然違うところにいるのが現状だと思います。リテールメディアがここを打破するきっかけとしての役割を担うのではないかと期待しています。

杉浦 リテールメディアの定義自体も各社で異なりますし、中村さんがおっしゃるように何をコンバージョンとして置くかも異なります。そのため、小売各社が提供しているリテールメディアのサービス内容も違ってきます。メーカーさんにはセブン-イレブンが提供するサービスをまず使ってみていただきたいという思いもありますが、これまでのマスメディアやWebメディアにはない価値をリテールメディアがきちんともたなければ、そもそも選ばれないと思っています。
 
セブン-イレブン・ジャパン
マーケティング本部 デジタルサービス部 兼 リテールメディア推進部 総括マネジャー
杉浦 克樹氏 氏

 1998年セブン-イレブン・ジャパン入社。長野・山梨、西東京にて加盟店を支援する現場でゾーンマネジャーを経験し、2018年からセブン&アイ・ホールディングスで新規事業会社の立ち上げを実施。21年3月よりセブン-イレブン・ジャパンのデジタル販売促進部総括マネジャーとしてセブン-イレブンアプリの責任者を経て、22年9月よりリテールメディア推進部総括マネジャーとして、リテールメディアの立ち上げ、戦略企画、実行の責任者を担当。24年3月よりデジタルサービス部 総括マネジャーを兼任。

リテーラーがメディアになることで、購買に強いということは前提ですが、それだけではメディアになる必要はなく、普通に売場に商品を置いてくれれば良いということになってしまいます。リテールメディアは現状、マスメディアほどのインパクトはなかなか出せていないと思います。

そこでいま我々が考えているのは、購買に比較的強く、認知も少し取れていくようなイメージです。そして、当社だけでサービスが完結する世界にはまだ遠いと考えているので、テレビやYouTubeなど、いろいろなメディアとミックスしながら展開することです。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録