PHOTO | 絵・倉橋 美佳
「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #05

CPA至上主義に陥る背景と、脱却するために必要なこと【ペンシル 倉橋美佳】

CPA至上主義から脱却するために

 そこで、現在では「CPA至上主義からの脱却」がうたわれるようになりました。

 通販事業側のチーム評価にも、変化が起こりました。それまで新規獲得件数とCPAで評価していたものが、新規顧客獲得と同時にCPOもみるようになりました。

 多くは顧客獲得から60日間の成果をひとつの指標とし、60日以上は既存チームの成果とするといった期間を設けた成果や、初回購入顧客を継続的にみていく場合など様々です。

 これに伴い、広告担当者や広告代理店にもCPO目標を共有した上で、CPOを合わせるような広告運用をするようになりました。

 しかしながら、CPAに比べてCPOは計測の複雑さと時間差もあり、簡単にはいかないものです。

  また、データ管理がしっかりしたことで、予測数値が精緻になり新しいメディアバイイングに消極的になったり、テスト結果が見えないような配信量でのテストのケースも出てきており、CPAを守ろうとするからこそ、課題は大きくあると思います。

 CPAを守ろうとするばかりに新規顧客数が減少してしまい、事業自体が縮小してしまうわけにいきませんので、運用テクニックや媒体ではなく、クリエイティブなどにおける訴求など、マーケティングの知恵を駆使した勝負をしていかないといけないのです。

 端的な目標達成だけではなく、長期的な事業戦略を把握しておくことで、CPA至上主義からの脱却ができるのではないでしょうか。
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「越境EC」ではなく、「現地EC」を最終的に目指すべき、と考える理由【ペンシル 倉橋美佳】
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