リテールマーケティング最前線 #01

SHIBUYA109のポップアップストアがAIカメラを導入、映像データからマーケティングはどう変わった?

 

さらなる付加価値の提供へ


――映像データの活用により感じた手応えや新たに見えてきた課題はありますか。

渡貫 HAPPY DECO SOFTで、実際にお客様から「ソフトクリームにトッピングして楽しい」という声がありました。2月と比較して6月は動線やレイアウト、製造数を改善できたこともあり、お客様の満足度は少し向上したと思います。



ただ、各ポップアップのコンテンツのことがもともと好きで来てくださるお客様も多く、来場者は必ずしも本来のターゲットであるZ世代ではない場合もあります。冒頭でもお伝えしましたが、来場者アンケートを取っても全員が回答してくれないですし、フラッとイマダ キッチンの前を立ち寄っただけのお客様もいます。

クライアントさんからも来場者属性については求められる情報なので、いかに細分化して正確にお伝えしていくか、購入までに至らなかったお客様をどう把握し、アプローチしていくかは新たな課題です。

日座 当社としても導入企業における改善活動のサイクルを、いかに速く回していただくかは今後の課題です。導入いただいている他社さんからも「AIって本当に合っているの?」という声をよくいただきます。AIは自動化されていて過程が見えないこともあり、本当に正しく計測できているのか心配だ、みたいな発想がどうしても出てきます。そこで、まずはわかりやすくお客様の人数をカウントできるアプリをリリースしました。



――最後に、イマダ キッチンとしてマーケティング施策における今後の展望についてお聞かせください。

渡貫 AIカメラの導入から1年以上経ったので、時期変動によるお客様の流れの違いについてもデータが蓄積されてきました。そのような情報も活かしながら、クライアントさんのプロモーションを最大化できるようにしっかりとサポートしていきます。若者の流行やトレンドは本当に日々変わります。盛況だったものの、少しずつ飽きられているのでは?と感じることもあるので、そういったトレンドもしっかりキャッチして、過去のデータももっと積極的に活用していきたいです。

もともとポップアップの商材を知っているお客様であれば、それほど購入のハードルは高くないと思いますが、あまり知らないお客様にとっては購入するまでのハードルは、けっこう高いと思います。それを補うものとして、トッピングするなどの体験を楽しめる要素など、付加価値を提供できるようにしていきたいです。路面店とは異なり、店頭の装飾などには限りがある中で「食」に価値をプラスできるように映像を分析しながらチームでもアイデアを出し合っていきます。

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