関西発・地方創生とマーケティング #05

「マーケティングは市場起点、ブランディングは自分起点」中川政七商店13代目に聞くマーケティング

情報の差し出し方

 情報発信については、媒体でいうとテレビCMなどではなく、口コミでしょうねと。そして、大事なのは、媒体だけの話ではなく、情報の差し出し方なのだと言います。


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 この、すっと入る「差し出し方」という言葉は、ブックディレクターの幅允孝さんが仰っていた言葉で気に入って使っていらっしゃるそうです。

 押し付けがましくなく、いやらしくなく、相手と状況に応じた「差し出し方」が重要だといいます。何を出すかによって、相手の反応が変わる。それに配慮するということです。

 そこから、広報と宣伝の話になりました。

 今、教育に興味をお持ちの中川さんは、近畿大学のブランディングに注目されているようです。

 近大は広報と宣伝を同じ部署で、担当しています。一方われわれ近鉄をはじめ、ある程度の規模の企業では、別の組織になっているところが多いと思います。

 そんな話をすると、「広報と宣伝が別なんですか!?」と。機能的には一体のものであって、部隊として別れていることにとても違和感があって、分ける理由がわからないと。

 10年ほど前に戦略PRが注目されるようになり、マーケティング活動における広報に注目が集まって、大手企業でも広報と宣伝が一体化した組織が生まれてきたように、広報と宣伝は一体であるべきとお考えなのかもしれません。

 さて、組織の話が出てきたところで、次回は、経営の話も絡めて中川政七商店が、そして中川さんご自身が、地方創生に果たす役割などについてお届けしたいと思います。
続きの記事:
「中川政七商店には、何も無いんですよ」中川政七商店13代目がそう語る理由と、奈良の地方創生【能川 一太】
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