次のECの鍵は「Cross Dimension」にある #04
デジタルマーケターの競争戦略。ECビジネスからマーケティングの普遍性は導きだせるのか【ディノス・セシール 石川森生】
2018/11/14
- 通信販売,
- EC,
- ダイレクトマーケティング,
ECで収益を上げるマーケティング的要素を抽出
連載4回目の今回は、前回の前振りに従って、私が提唱する「Cross Dimension」から少し離れようと思う。ECビジネスのグランドデザイン、収益を上げるための一連のマーケティング活動から、普遍的な要素を抽出し、全くの異業界に当てはめて、その妥当性や汎用性を検証してみたい。
なぜ、そんなことを試みるに至ったかは自分でもよく分からないが、思い当たる理由はふたつある。ひとつは、「ECにおけるマーケティング≒デジタルマーケティング=テクニカルな手法論」と思われがちで悔しいから、という至極個人的な想いから。
もうひとつは、P&Gマフィアに代表されるメーカー系出身の方々が各方面で一騎当千の活躍をされており、そのスキルの普遍性を証明されていることに刺激を受けて。
特に後者のスキルの普遍性は、1995年前後に日本で初のネットショップが立ち上がってから(諸説あり)、わずか20余年しか歴史がない中で急速に成長・発展し、そのため常に新しい(が、大半は水物の)マーケティング手法を追いかけてこざるをえなかった業界の人間の端くれとして、次代に繋がる‘意味’をここで見出しておくことに、意義があると思ったためである。
そこでまず始めに、ECで収益を上げるために必要なマーケティング的要素を抽出することから始めよう。できるだけ贅肉をそぎ落として、ここだけは外して考えられないという骨子を。
ここには解釈の余地が多分にある。あくまで私の中での重要度ということでご了承いただきたい。というのも、そもそも一口にECと言っても、リテールとメーカーでは取るべき戦略が異なるうえ、単品通販とモール系ECでは運営上のKPIも異なるからだ。だから、端からかなり無茶な試みではあるのだが、それでもトライする価値があると信じて考えてみる。
試行錯誤の結果、結局というべきか、以下の3つの要素に収斂される。
■ECビジネスから収斂される、マーケティングの普遍的要素
- 商品・サービスの特性
- リテンション
- 新規顧客獲得