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エージェンティック・コマース時代のCX ー キーワードは「フライホイール型CX」「Authenticity」「店舗のブランド体験メディア化」【NRF2026レポート by NODE】

 NODEは、生活者インサイトを起点に企業の新規事業や顧客体験の変革を支援するコンサルティングファームだ。企業の枠を越えた専門家コミュニティを背景に、CX設計、マーケティング変革、データ活用などを通じて事業価値の創出に伴走している。

 そんなNODEが、毎年ニューヨークで開催される世界最大級のリテールイベント「NRF Retail’s Big Show」を視察した。本レポートでは、NODEが日々向き合う「顧客理解」「顧客体験」「事業価値」という視点から、今年のNRFの展示やセッションから見えてきた潮流を読み解き、日本の事業会社のマーケターがいま考えるべきポイントを整理する。
 

エージェンティック・コマース時代のCXに関する「3つの大きな変化」


 2026年1月に、ニューヨークで開催された世界最大級のリテールイベント、NRF 2026。 Googleによる発表「UCP(ユニバーサル・コマース・プロトコル)」に象徴されるように、AIは情報提供をしてくれる便利ツールを超え、思考・提案・購買・顧客最適化までを担い、取引を完結させる存在へと進化しています。
 

 筆者は「Agentic Commerce(エージェンティック・コマース)」への突入を強く感じ、マーケティング、顧客体験の潮目が完全に変わったことを確信しました。

<執筆者>
株式会社NODE
マーケティング&セールス統括/シニアディレクター
石田 直行

アパレルのEC及び店舗プロデュース事業を起業後、デジタルコンテンツプロダクションへの参画を経て、アクセンチュア入社。自動車メーカー・証券会社・生命保険会社・官公庁などのマーケティング支援プロジェクトに従事。マーケティング戦略やデジタル戦略・SNS戦略などの立案から施策の実行支援まで幅広く手掛ける。2023年 NODE入社。2024年よりマーケティング&セールス統括に就任。

 AIは、もはや便利な技術ではなく、愚痴を聞いてくれる悩み相談相手であり、購買の意思決定を後押しする存在であり、AIのある生活は日常になりつつあります。

 では、そのとき顧客体験(CX)はどう変わるのか。AIによって、私たちが「楽しい」「嬉しい」「また使いたい」と感じる体験はどう進化するのか。

 NRF 2026での議論を「エージェンティック・コマース時代のCX」という視点で整理すると、次の「3つの大きな変化」が見えてきました。
 
 

 

【変化1】エージェンティック・コマース時代のCXは「ファネル型」から「フライホイール型」へ


 「ファネル型マーケティングは時代遅れだ」と言われて久しいですが、今回複の数セッションで繰り返し語られたのは、旧来のファネル型マーケティングの崩壊です。筆者としても、とうとう「理論として古い」のではなく、「構造として成立しなくなった」ということを強く感じました。

▶︎なぜファネル型マーケティングは崩壊するのか

 旧来のファネルは、認知 → 興味 → 検討 → 購買 という直線な繋がりが前提になっていました。

しかし今や、
  • SNSやUGC、コミュニティ経由で商品に出会う
  • 消費者同士がコミュニティ内で売買・推奨し合う
  • エージェンティックAIが複数ブランドを横断して比較・推薦する
といった状況で、「どこが認知で、どこが購買か」を定義すること自体が難しくなっています。

 SNSやUGCの普及、そしてエージェンティックAIの台頭により、生活者は主体的に欲しいもの・好きなものを取りに行くのではなく、いつでも欲しいもの・好きなものが勝手に集まってくる体験へと変わりました。こうした体験が前提となったときに、認知から購買の一方通行のファネル型マーケティングモデルは、もはや実態に即していないのではないかと考えています。
 

▶︎フライホイール型マーケティングへの転換

 こうした環境変化を踏まえると、これからのCXは、「認知 → 購買 → 終了」という直線構造ではなく、出会いと共感が次の出会いを呼び続ける循環構造の「フライホイール型のマーケティングサイクル」を前提に考えていくことが求められています。

フライホイール型では、
  • AIレコメンド、SNSやUGC、コミュニティなど、あらゆる接点が「入口」に
  • 購入/利用体験そのものが、次の誰かへの推薦や共感の起点に
  • その反応や行動データが、さらに新たな出会いを生む
といった形で、体験が体験を呼び、回り続ける構造が前提になります。
 
参考:フライホイール型のCXの例


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